我々は初期歩行後の乳児に約2gの浮力が発生するヘリウムガス入り風船の紐を把持させると歩行時の身体動揺が減少し,歩行距離が延長することに観察評価で気付いた.風船を把持した乳児の歩行周期中の身体動揺について体幹加速度や足底圧軌跡を分析した結果,各被験児が風船を把持した場合の各立脚支持期中の足底圧中心の変動係数は風船を把持しなかった場合と比較して有意に低値を示し,また体幹動揺も風船を把持した場合は有意に低値を示した.先行研究では,子どもの歩行の発達要因として,片脚支持期の動揺が減少が報告されており,風船把持歩行は,乳児期の身体動揺を減少させる可能性がある.
|