研究課題/領域番号 |
25560389
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
勝間 靖 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (80434356)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人間の安全保障 / 子どもの権利 / 子どもへの暴力 / 子どもの保護 / 人間開発 / 恐怖からの自由 / 欠乏からの自由 |
研究概要 |
研究活動としては、第一に、教育協力NGOネットワーク(JNNE)と共催して、国際教育協力開発セミナーを3回開催した。日時とテーマは以下のとおり。①2013年10月30日「EFA目標5:基礎教育における男女格差の解消」、②11月20日「EFA目標6:教育の質の改善」、③12月11日「ポスト2015のEFAの課題と財政」。第二に、単発の研究会として、5月10日に「東アジア子どもの権利」セミナー、5月21日に「パレスチナにおける子どもの権利」セミナー、7月16日に「人権を基盤とした開発の企画と評価」セミナー、7月17日に「商業的結婚による人身取引」セミナーを開催した。 研究成果としては、以下を刊行した。①「『カンダハール』~女性の権利,ジェンダー,文化」、「『闇の子供たち――値札のついた命』~子どもの商業的な性的搾取と人身取引」、「『ジョニー・マッド・ドッグ』~子ども兵士の現状とその国際的な規制」三上貴教編著『映画で学ぶ国際関係II』法律文化社,2013年5月.; ②「ASEAN人権宣言(2012)~採択の背景と今後の課題」『アジア太平洋討究』21号、2013年8月.; ③「人間の安全保障」日本国際保健医療学会編『国際保健医療学[3版]』杏林書院、2013年11月.; ④「『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか――世界的貧困と人権』(トマス・ポッゲ著)~開発と人権の視点から平和を考える」日本平和学会編『平和を考えるための100冊+α』法律文化社,2014年1月.; ⑤「2015年以降の開発アジェンダへ向けた国際協力のあり方」黒澤満編著『国際共生とは何か~平和で公正な世界へ』東信堂,2014年2月.; ⑥「人権ガヴァナンス」吉川元ほか編著『グローバル・ガヴァナンス論』法律文化社,2014年2月.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度の研究実施計画として、「子どもの安全保障」モデルの叩き台を例示する計画を立てたが、それは「研究実績の概要」において記した「人間の安全保障」日本国際保健医療学会編『国際保健医療学[3版]』(杏林書院、2013年11月)の刊行によって達成した。次に、モデルの有効性の実証的検証へ向けて、人権・平和・開発の三つの領域から複数の事例を選択し、個々の事例を連携研究者と共同研究する計画については、「研究実績の概要」において記した研究活動としてのセミナーの開催によって進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度における研究活動として、7月に、ヤンギー・リー成均館大学教授(元国連子どもの権利委員会議長)、セーブ・ザ・チルドレンUSAのリーダーなどをお招きして、「東アジア子どもの権利シンポジウム」を開催する予定である。そこで、2015年以降の開発アジェンダにおける「子どもへの投資」について議論を深める。この他、定期的により小規模のセミナーや研究会を開催し、事例研究を深めていく。研究実施計画を進めながら、学会発表や研究成果の刊行につなげていく方策をとる。
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次年度の研究費の使用計画 |
タイにおいてフィールド調査や研究発表をする予定であったが、バンコクにおける暴動の発生に対して外務省から渡航延期勧告が出されたため、2013年度におけるタイ渡航は中止した。 タイにおける治安状況と外務省による海外危険情報を見ながら、タイにおいて調査ができると判断される場合、それに使用する。外務省から渡航延期勧告が出ている場合には、タイでの調査は見送り、他国(ベトナムなど)における調査を検討する予定である。
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