本研究では伊豆半島、伊豆諸島沿岸に生息するTheonellidae科の海綿類、特にDiscodermia属およびTheonella属について二次代謝産物の生産を担う共生微生物を特定し、そのゲノム解析を試みた。Theonellidae科の仲間には多様な生物活性物質が含まれており、それらの生産菌を明らかにすることは未利用医薬品資源の供給方法の確立にも繋がる。今回Theonellidae科の3種の海綿動物を対象として解析を進めた結果、すべてにおいて、Entotheonella属の共生微生物が物質生産を担っていることが明らかとなり、多様な海綿由来生物活性物質の生産機構の解析へ向け、重要な糸口を得た。
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