研究課題/領域番号 |
25560407
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
早川 洋一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20208606)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生合成 / 環化遺伝子 / roseophilin / チオアミド / thioviridamide |
研究実績の概要 |
Roseophilin生産菌Streptomyces griseoviridis 2464-S5から得られたrph遺伝子クラスター中でprodigiosin側鎖環化遺伝子redGと相同性を有するrphG、rphG2、rphG3、rphG4を、prodigiosin生産菌Streptomyces coelicolorのredG破壊株に導入した。代謝産物を分析したところ、rphG2、rphG3、rphG4導入株には新たな代謝産物が認められなかったが、rphG導入株が2種のprodigiosin環化体を生産していることを見いだした。機器分析の結果、一方をmetacycloprodigiosinと同定した。したがって、rphGがprodigiosin R1の生合成に関わる環化遺伝子であることが明らかになった。また、roseophilinと同じ鎖長の側鎖をもつprodigiosin類を生産するredP破壊株にrphG、rphG2、rphG3、rphG4のすべてを導入した株が新たなprodigiosin代謝物を生産していることを確認し、現在その同定を試みている。 Thioviridamide生合成遺伝子クラスター中のチオアミド化酵素遺伝子の候補であるtvaDまたはtvaHを破壊したクラスターを作製し、これらを、それぞれStreptomyces lividansにおいて発現させた。代謝産物を解析したところ、thioviridamide生産性が消失しており、他の二次代謝産の生産も認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
tvaDまたはtvaHを破壊したクラスターに対してそれぞれtvaD、tvaHを再導入した実験では、いずれもthioviridamideの生産能が回復しなかった。tvaC~tvaLのORFは重複部分を含めて密に連結しており、これがtva遺伝子の発現に重要な役割を果たしていることが推定される。したがって、遺伝子の連結に影響を与える遺伝子破壊の手法は、本クラスター中の遺伝子機能の同定には有効な手法となり得ない可能性が考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム解析により塩基配列が明らかになっている数種の細菌において、thioviridamide生合成遺伝子クラスターと極めて類似した遺伝子クラスターを有する菌が複数見いだされている。これらの菌を利用してチオアミド化遺伝子を同定することができるかどうか現在検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残った少額を有効利用するため、次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度分と合算し、試薬類等の消耗品費として利用する。
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