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2013 年度 実績報告書

エピジェネティクス変化を指標とする幹細胞の化学分化誘導プロセスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 25560408
研究機関早稲田大学

研究代表者

中尾 洋一  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60282696)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
キーワードエピジェネティクス / ヒストン / ケミカルバイオロジー
研究概要

本研究では、連携研究者(木村)と共同開発した、特定のヒストン修飾20種類について同時にモニター可能なcell-baseヒストン修飾プロファイル解析法を用いて、選択的なヒストン修飾パターンを引き起こす化合物を海洋無脊椎動物から探索することを目的として研究を行った。海洋生物由来抽出物ライブラリー(約4000検体)について、各サンプルをMDA-MB-231細胞に添加し、ヒストン修飾特異的な蛍光標識モノクローナル抗体を用いた多重免疫染色法を行い、ヒストン修飾変動を各抗体由来の蛍光強度として定量化した。その結果、ヒストン修飾をひとつもしくは複数変動させうるサンプルが多数認められた。そのうち、一次スクリーニングでH3K9のアセチル化を誘導した海洋生物抽出物から活性本体を単離し、各種スペクトル解析を行ったところ、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤およびDNAメチル化酵素阻害剤をして知られるPsammaplinであると同定した。さらにマウスES細胞から胚様体への分化過程に本化合物を添加し、2日後にRNAを回収したところ、中胚様マーカーBrachyury、および内胚様マーカーSox17、上皮マーカーKeratin14の発現上昇が認められ、反対に神経分化のマーカーは発現が減少した。以上のように、1年という短い研究期間ではあったが、本研究において特徴的なヒストン修飾変化を引き起こす活性化合物を海洋生物から見出し、その細胞分化への影響を明らかにすることができた。本システムの確立によって、今後多くの特徴的なヒストン修飾制御活性を有する海洋天然物が見出されることと期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ヒストン修飾に影響を与える味噌成分の研究2013

    • 著者名/発表者名
      杉江啓太、町田光史、林陽子、木村宏、中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] H3K9アセチル化誘導活性を有する海洋天然化合物の探索2013

    • 著者名/発表者名
      神平梨絵, 喜納惟斗, 林陽子, 木村宏, 新井大祐, 中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131200
  • [学会発表] 海洋生物からのヒストン修飾制御剤の探索2013

    • 著者名/発表者名
      佐久間千晶, 林陽子, 木村宏, Kind K. Kanto, 新井大祐, 中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131200
  • [学会発表] 多重免疫染色法を利用したヒストン修飾制御剤の探索2013

    • 著者名/発表者名
      片岡亮佑, 新井大祐, 林陽子, 木村宏, 中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131200
  • [学会発表] 環境エピゲノム研究におけるケミカルバイオロジー2013

    • 著者名/発表者名
      中尾洋一
    • 学会等名
      環境エピゲノム研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130615-20130615
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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