本研究は生体組織の構造を深部まで可視化する蛍光色素の開発を目的とした。そこで蛍光分子の蛍光波長が周囲の環境に応じて変化する「ソルバトクロミズム」を利用した。本研究では、組織深部を可視化する技術の改良と新奇蛍光色素の探索及び設計に取り組んだ。イメージング技術の改良では、(1) 組織の簡便な透明化法の確立、(2) 透過型液晶素子による収差補正装置の開発、(3) 多点走査高速多光子顕微鏡法の改良、(4) 麻酔下マウス皮膚の非侵襲観察法の確立を実施した。最終的に、新たに開発した蛍光色素をマウス皮内に投与し、麻酔下マウスの皮膚構造を3次元的に可視化することに成功した。
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