研究課題/領域番号 |
25560414
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
神吉 智丈 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50398088)
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研究分担者 |
山下 智大 九州大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (30645635)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マイトファジー |
研究概要 |
オートファジーは、細胞内のタンパク質やオルガネラを分解する機構である。最近の研究から、オートファジー他のタンパク質やオルガネラと区別してミトコンドリアを選択的に分解していることが知られるようになり、その現象がミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)と呼ばれている。マイトファジーは、ほとんど全ての真核生物に認められるミトコンドリア分解機構で、未だに不明な点が多いものの、異常をきたしたミトコンドリアや不要となったミトコンドリアをオートファジーにより選択的に分解することで細胞内のミトコンドリア機能を一定に保っていると考えられている。このように、マイトファジーは、ミトコンドリア恒常性維持に重要な役割を持つと考えられるが、マイトファジーを特異的に誘導出来る薬物や抑制できる薬物は同定されていない。本研究課題では、出芽酵母や培養細胞の系を用いて、マイトファジー誘導に関わる薬物を同定することを目的にしている。平成25年度は、スクリーニングの為の予備実験を行った。出芽酵母の系では、GFPの発現した細胞を細胞画像解析装置で蛍光顕微鏡写真を撮るために、96Wellのマイクロプレートを用いて顕微鏡観察する為の指摘条件を決定した。また、ヒト培養細胞にpH依存性蛍光タンパク質Keimaにミトコンドリア移行シグナルを付けたキメラタンパク質を発現させることで、培養細胞におけるマイトファジー観察系を作り、同様に96Wellプレートで観察するための指摘条件を決定した。決定した観察条件で、既知のマイトファジー誘導刺激(栄養飢餓、低酸素、ミトコンドリア脱分極剤)を用いてマイトファジーを観察したところ、栄養飢餓が最も強くマイトファジーを誘導し、ミトコンドリア脱分極剤はほとんど誘導しないという結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究で、本来予定していた出芽酵母を用いたマイトファジー関連薬物のスクリーニングの準備に加えて、ヒト培養細胞を用いたスクリーニングの準備もほぼ完了している。一方で、実際のスクリーニングの作業には入れていない為、この点は来年度に集中して行う必要がある。このため、全体としてはおおむね順調に進められていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
出芽酵母及びヒト培養細胞の実験系を用いて、1次スクリーニングを行う。1次スクリーニングは薬剤の骨格、活性の類似を省いて選択された9600薬剤(Core Library)を対象とする。さらに、1次スクリーニングの結果で陽性となった薬物と骨格、活性が類似する薬剤ライブラリーを入手し、それらを使って2次スクリーニングを行う。再現性を含めた3次スクリーニングと、出芽酵母、ヒト培養細胞で得られた結果を総合して、両者で最も効率よくマイトファジーを誘導する薬物を選別し、さらに詳細な解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では、平成25年度中に出芽酵母を用いた実験系でマイトファジーを誘導する薬物のスクリーニングの一部を実施する予定にしていた。しかしながら、ヒト培養細胞でマイトファジーを観察する実験系の開発が予想以上に進んだため、より多くの時間をヒト培養細胞の研究に当てることになった。このため、スクリーニング実験のために購入を予定していた試薬やプラスチック製品は、予備実験の進捗状況に合わせて、平成26年度に購入することとした。こうした理由で、平成25年度に使用する予定であった予算の多くは、後述する実験のために、平成26年度に使用することとした。 平成25年度に予定していた、出芽酵母を用いたマイトファジー関連薬物のスクリーニング実験を行う。さらに、ヒト培養細胞でも同様に、マイとファジー関連薬物のスクリーニングを予定している。これは、当初の計画には含まれていなかったものであるが、これまでの研究で、非常に効率のより観察実験系を確立することができたため、より大きな成果を求めて実施する予定としたものである。 出芽酵母、ヒト培養細胞の薬物スクリーニング実験は、いずれも1次スクリーニングから始まり、2次、3次スクリーニングを実施し、より有効性の高い薬物を絞り込んでいく予定である。
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