研究課題
オートファジーは、細胞内のタンパク質やオルガネラを分解する機構である。最近の研究から、オートファジーがミトコンドリアを選択的に分解することが知られるようになり、ミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)と呼ばれている。マイトファジーは、ほとんどの真核生物に認められるミトコンドリア分解機構であり、最近の研究から、特に機能低下に陥ったミトコンドリアを選択的に分解している、即ち、マイトファジーはミトコンドリア恒常性維持に重要であると考えられるようになってきた。ミトコンドリア異常により発症する疾患は多く存在し、もしマイトファジーを人為的に誘導することが出来るようになれば、疾患治療に有用である可能性があるが、マイトファジーを誘導する薬物等は同定されていない。本研究では、マイトファジーを誘導する薬物をスクリーニングし、疾患治療への応用を検討することを目的としている。平成25年度では、ヒト培養細胞に特殊な蛍光タンパク質を発現させる方法でマイトファジーを簡単に観察する方法の確立に成功していた。平成26年度には、この方法を用いて数千の薬物をスクリーニングし、マイトファジーを誘導/阻害する薬物候補を数種類、同定することに成功した。現在、さらに多くの薬物でのスクリーニングを準備中である。一方で、単にミトコンドリアに傷害を与えるだけの試薬(脱分極剤CCCPやパラコート)では、ほとんどマイトファジーは誘導されないことも明らかにできた。
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