抗腫瘍活性を有する新規有糸分裂阻害剤のスクリーニングシステムとして,タイヨウチュウと呼ばれる単細胞生物の微小管束を内包する軸足の伸長収縮反応を指標とした新しい生物検定系の開発を行った。潅流型測定セルの試作を行い,細胞の接着性を検討したところ,基質の材質に依存することが分かった。抗腫瘍活性を有するエポチロンの効果を検討したところ,パクリタキセルに比べて低濃度でその効果があることが分かった。蛍光パクリタキセルを作用させ観察したところ,細胞が生きた状態で微小管束の蛍光イメージングが可能であった。本研究で開発した生物検定系は有糸分裂阻害剤の一次スクリーニングシステムとして有用であることが分かった。
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