研究課題
最近、チャネルロドプシン等の光感受性機能分子が飛躍的な発展を見せ、Ca2+イメージングと組み合わせることにより脳研究のさらなる発展が期待できるようになってきた。一般に細胞やシナプスなど光刺激したい標的は脳内に3次元的に分布している事が多い。しかし、現在の技術では3次元空間の複数の標的に瞬時にレーザー照射することは困難である。Z軸方向の深さが異なる標的に瞬時にレーザー光の焦点を合わせることを目的に、本研究ではタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)結晶を用いた可変焦点レンズ(KTNレンズ)を用いて3次元空間に分布する光感受性機能分子に高速で焦点調節可能な顕微鏡用光刺激装置を開発した。本研究では非線形光学素子である周期分極反転(pp)結晶を用い赤外レーザーから第二高調波発生(SHG)の原理で可視光を発生させた。特にpp結晶の構造をFan-out構造にしたことにより可変波長赤外レーザーに対応し、400nm~500nmの可視レーザー光を発生可能であった。このレーザー光を顕微鏡に導入し、KTNレンズに高電圧をかける事により焦点移動を高速に行った。生物サンプルとしてGFPを発現した遺伝子改変線虫を用い、960nmの近赤外レーザーを用いてGFPを可視化することにより、焦点移動の実験を行った。本技術開発により種々の波長の光感受性機能分子を活性化することが可能となり光操作技術、可視化技術が飛躍的に進歩するとともに、それを利用する自然科学、および工業分野で大きな前進が期待できる。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Genes Cells
巻: 18 ページ: 1070-1081
10.1111/gtc.12094
Am J Transplantation
巻: 13 ページ: 2154-2160
10.1111/ajt.12306
日本薬理学雑誌
巻: 142 ページ: 226-230
http://subsi.saitama-u.ac.jp/