研究課題
独自に開発した遺伝子発現3次元地図作成法(トランスクリプトーム・トモグラフィー:TT法)を高精度化し、可塑性の高い発達期マウス脳で経時的な発現情報を詳細に測定・データベース化し、脳が恒常性を維持しながら形態を変え・機能を獲得する仕組みを、遺伝子共発現解析などのインフォマティクス手法と脳形態・組織情報を融合して解析するアトラス インフォマティクスという新手法で捉え、神経科学の基盤となる、ウェブ上で双方向に利用可能な遺伝子発現脳図譜の構築をめざして研究を行った。TT法を使って、C57BL/6J マウスの発達期脳での網羅的遺伝子発現情報を13年度2時点、14年度に新たに1時点、合計 生後3日、7日、3週で取得し、既に3次元地図化した8週と合わせ4 点での発現情報データを得た。其々の脳について、MRI画像(T1, T2強調)も取得した。TT法で作成した3次元遺伝子発現データとMRI画像やこれを基にして作成した脳解剖領域地図を同一空間上に位置合わせする方法を確立し、相互に比較できるWEBシステムの構築した。更に、TT法で得られる発現情報を用いた共発現解析を行い結果をネットワーク図として表示し、これを遺伝子発現地図情報と統合して解析できる手法を開発した。これらの手法について、Scientific Report に論文を発表した。国際ニューロインフォマティクス統合機構(INCF)で共同研究を行い、8週マウスについては国際標準脳空間WHSでの解析が可能となった。更に発達期では、本研究での画像を標準空間として用いるシステムを作成した。これによって、発達段階を通じて遺伝子発現パターンをMRI画像の解剖学的位置に照らして解析できるようになった。更に、遺伝子共発現ネットワーク構造の発達過程での遺伝子発現の安定性と、脳機能部位形成過程での変容を示す解析結果を得たので、成果論文を作成している。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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