研究課題/領域番号 |
25560430
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯塚 博幸 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (30396832)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ニューロフィードバック / コミュニケーション |
研究概要 |
初年度は計画書にあるように,直接伝送型脳波コミュニケーションを実現するためにニューロフィードバックを用いた脳波コントロールを行った.まずは効果的なニューロフィードバックの方法を明らかにする実験を試みた.先行研究による実験の結果を参考にしながら,脳波をコントロールするための効果的なフィーバックを明確にした.現状においては,8Hz~13Hzのアルファ波,4Hz~8Hzのシータ波,13Hz~30Hz程度のベータ波を用いることとした.計測された脳波を被験者にフィードバックする方法は,視覚的に与えることが脳波をコントロールするうえでは最もよかったが,触覚刺激を用いた非言語コミュニケーションに関する先行研究もあることから触覚刺激を用いた実験も行った.視覚ほど脳波の違いが明確にわからないので,視覚刺激ほど脳波コントロールは確認されなかった. 以上の結果をもとに2者間でのニューロフィードバック実験を行った.まずは,2者間でのニューロフィードバックを用いた状況での脳波コントロールを評価するために,1人でのニューロフィーバック状態での脳波のコントローラビリティを評価し,2者間でのニューロフィードバックの評価を行った.結果,現在解析中であるが,1人でのニューロフィードバック状態ほど脳波がコントロールされているとはいえていない.2者の場合,1人で行うよりも学習時間が必要であると考えられ,十分な学習時間がとれていないことが原因だと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2者のニューロフィードバックが完全に成功しているわけではないものの,計画書にあるように研究を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度では,初年度の実験において,十分ではなかったと考えられる学習時間を増やし,経時的に学習効果を評価していき,2者間におけるニューロフィードバック実験を成功させる.この問題の解決後,明確にコミュニケーションを必要する課題に挑戦する.ターゲットのタスクをコミュニケーションに絞り,より複雑なコミュニケーションを必要とする課題での脳波コミュニケーションの実現を行い,そのプロセスの解析を行う.実験計画としては,計画書にあるように,各被験者に2種類の選択肢(写真,絵,色,数字等)を提示し,2人が同じものを選択するように教示する.脳波コミュニケーションを行った後に,それぞれにどちらかを選択させる.選択後に相手が何を選んだか表示し,このマッチングの割合を上げるようにニューロフィードバックを行う.脳波コミュニケーションがコミュニケーションとして寄与していないのであれば,このマッチング確率はチャンスレベルの50%になり,コミュニケーションが成立しているのであれば,チャンスレベルの50%との選択確率の差に有意な差が現れるので,これをもって脳波コミュニケーションの実現とする予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
計画通りに研究を進め,3月に必要になった物品を購入し,その支払いが次年度になったため. すでに昨年度の物品購入においてすべて使用済み.
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