研究課題/領域番号 |
25570008
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐久間 正 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (80128181)
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研究分担者 |
増田 研 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20311251)
才津 祐美子 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (40412613)
葉柳 和則 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (70332856)
南 誠 長崎大学, 多文化社会学部, 助教 (70614121)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地域研究 / 歴史学 / 社会学 / 人文地理学 |
研究実績の概要 |
1. 研究体制の充実:メンバーの専門領域における理論と技法を理解し、領域横断的な調査枠組を相互の 対話の中で構築してい くために、二ヵ月に一度の研究会を開いた。まず最初に、調査データや資料のフォーマットを共通化するための技術的な検討を3回行った。 複数のメンバーが、新たに収集したデータや資料を同一の問題設定に基づいて分析解釈し、それを報告し、全員で検討を加えると いう作業を繰り返し、研究領域の境界を越えた調査枠組の可能性を探った 月例研究会には他機関所属の研究者も招待し、メンバーだけではなく、広く関連分野の研究者・院生にプロジェクトの取り組みを紹介するとともに、研究情報やアイデアを積極的に交換した。 2.調査の実施 文献調査およびフィールドワークを行った。まず、「長崎の近代史における戦争記憶とその表象」という枠組みに関連する先行研究を網羅的に収集し、研究の対象と方法を検討した。この作業と補完し合う形で、『西海新聞』、『鎮西日報』、『長崎新聞』等の地方紙における原爆関連記事における、マイノリティに関する言及をデータとして収集し、ローカルな言説空間における選択、排除、包摂の諸相を明らかにし、調査の対象を具体化した。 神の島地区のカトリック信者の戦争記憶に関するフィールドワークを行うとともに、その結果をシンポジウム等で公開の議論に付した。また、長崎の都市イメージと戦争記憶という視点から、明治期以降の旅行ガイドブック(日本語版と英語版)を収集し、軍需工場の街長崎と平和都市長崎という2つのベクトルの関係性を明らかにした。その成果は、口頭での発表と論文というかたちで議論に付した。 フィールド調査、関連分野の院生2名を研究協力者として加え、個々の専門以外の研究領 域の基本的知識や調査スキルを習得し、本研究の枠組みに沿った調査技法とデータ処理技法を身につけるためのワークショップ研修を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、調査にやや遅れがみられたが、今年度はフィールドワーク、文献調査ともに順調に推移しており、今年度の後半には研究成果を学会・シンポジウムでの報告や論文・著書の公刊というかたちで広く公開できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、フィールドワークと文献資料調査をさらに押し進めるとともに、国際シンポジウムの開催(海港都市国際シンポジウム)と成果の出版(東アジア重点研究叢書)に注力することで、成果を広く公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施した調査と学会発表等の費用を分担者や招待講演者個人の研究費から支出した部分があったことにより、予定していたよりも旅費等の支出が少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に大規模な国際シンポジウムと研究計画の出版を行うことで、3年間の研究計画としては所期の支出とほぼ同一になる予定である。
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