研究課題/領域番号 |
25570009
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
見市 建 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457749)
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研究分担者 |
中川 真 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (40135637)
橋本 裕之 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (70208461)
茅野 恒秀 信州大学, 人文学部, 准教授 (70583540)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 民俗芸能 / インドネシア / 陸中沿岸 / 災害 / 文化財 / イスラーム |
研究実績の概要 |
本研究の実績内容は調査と実践(ワークショップによる経験の共有)、映像記録という3本柱からなる。第一に芸能と社会、政治の関係について、中ジャワ、東ジャワ、アチェ(インドネシア)および陸中沿岸北部(岩手県)において、聞き取りおよび参与観察による調査を行った。行政と連携しながら観光資源化が進んでいるソロやジョグジャカルタ(中ジャワ)、その途上のバニュワンギ(東ジャワ)、中央政府および国際機関の文化財指定を通して芸能の保存を制度化しつつある普代村(岩手県)とアチェの事例を比較考察した。なかでも研究代表者の見市は岩手県の鵜鳥神楽と門中組虎舞の比較から、震災後の地域社会における民俗芸能の役割を、「遊び(ludic)」の要素に注目して分析、論文を執筆した。ジャワとアチェでは、イスラームと土着文化の緊張関係についても考察を深めた。第二に2015年3月にジョグジャカルタ(中ジャワ)において行った鵜鳥神楽(岩手県普代村)の公演とワークショップ、国内外での当事者や研究者との交流による経験の共有である。会場となったジョグジャカルタのニティプラヤン村は2006年のジャワ島中部地震の被災地であり、芸術村として知られている。神楽公演は国際交流基金の支援を受けて行い、現地の芸能者との有意義なコラボレーションおよび交流が実現した。第三に映像記録の当事者へのフィードバックである。鵜鳥神楽を中心に撮影を続けた他、阿部武司氏が長年蓄積してきた映像記録のデジタル化を進めた。2004年のスマトラ沖地震被災地のアチェでは、映像を用いた研究発表およびワークショップを行い、経験の共有に努めた。
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