研究課題/領域番号 |
25580008
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
野村 文宏 別府大学, 食物栄養科学部, 准教授 (30369144)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 現象学的方法の適用 / 医療の現象学 |
研究概要 |
当初の計画では、平成25年度は法学・法哲学の「問いの立て方」を広範に検証する予定であったが、これは平成26年度に変更し、当初平成26年度に計画していた「現象学の他分野への適用事例」の研究を行なった。計画変更の理由は、先に適用事例を研究しておくことで、法学・法哲学における「問いの立て方」を検証する際に、医療分野との対照を見極めつつ、手掛かりとしようと考えたからである。 平成25年度の具体的な研究実績としては、具体的には、アメリカの現象学者、S.カイ・トゥームズの『病いの意味』に基づいて、医療分野への現象学の適用を考察した。また、心理学の分野における現象学的方法の適用事例を、アメディオ・ジオルジについても、文献を読み進めているところである。さらに、教育学の分野における現象学的方法の適用事例についても収集しているところである。 平成25年度の研究成果の意義としては、現象学的方法の他分野、とくに医療分野への適応の仕方を確認したことで、このような医療分野と法の分野とで、何が異なるのかを考察する手掛かりを得たことである。医療分野への適応事例を考察したことで具体的には、現象学の適用はどのような問題系にも適用可能であるというのではなく、現象学の方法が効果的な問題系があるという洞察を得たことである。すなわち、現象学的方法の適用を考察する際には、その分野の中でどのような問題系の考察に現象学的方法が適しているのか、またその方法の適用が可能であるのかを切り分けて考えていく必要があるのである。このような洞察を前提として、平成26年度は法学・法哲学の「問いの立て方」の検証を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していた、ドイツへの資料収集出張は、次年度に変更した。理由としては、勤務校の仕事の都合と、研究代表者に第2子が誕生し、長期の出張が難しかったためである。 しかしながら、それにより平成26年度に予定していた研究を前倒したことで、却って今後の研究の方向性が明確になったと考えている。 現象学的方法の他分野への適用事例の考察については、医療分野を中心としたために、まだ心理学や教育学の分野への適用事例の考察が残っているが、これはそのボリュームからも単年度で完成可能なものでないことは当初からわかっていたので、法学・法哲学の研究と平行して、平成26年度にも継続して行なうこととする。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、法学・法哲学について「問いの立て方」を広範に検証する予定である。具体的には年度の前半に、法学・法哲学についての手持ちの文献を精査し、「問いの立て方」について検証すると共に、必要な文献についての情報を集め、それを9月に予定しているドイツでの文献収集に活かす予定である。その上で、より広く「問いの立て方」を考察していく。 さらに、平成25年度へと計画を変更し前倒しして実施した、現象学的方法の他分野への適用事例の研究を、心理学、教育学について引き続き平行して勧めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究計画では、ドイツにおいて資料収集する予定であったが、勤務校の仕事の都合および研究代表者に第2子が誕生し長期の出張が難しかったため、ドイツ出張を平成26年度に変更した。この計画変更が、次年度使用額が生じた理由である。 平成26年度に、資料収集を目的としたドイツ出張の旅費として使用する予定である。
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