研究課題/領域番号 |
25580012
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 原 東北大学, 文学研究科, 准教授 (30451777)
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研究分担者 |
鈴木 岩弓 東北大学, 文学研究科, 教授 (50154521)
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 准教授 (80322923)
堀江 宗正 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (90338575)
相澤 出 医療法人社団爽秋会岡部医院研究所, 調査研究部, 研究員 (40712229)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心霊現象 / 心のケア / 宗教者 / 東日本大震災 |
研究概要 |
本プロジェクトでは、2013年6月29日に東北大学にて共同研究を開始するに際しての打合せおよび研究会を行い、研究の目的と課題についての問題意識を共有し、調査の実施計画について方法論的検討を行なった。 その後。メンバー間で質問紙調査の質問項目の検討を重ね、宮城県神社庁、仙台キリスト教連合等の協力を得て、2013年7月から、宮城県全域の宗教者に対する郵送による質問紙調査の発送を開始し、2013年9月までに回答用紙の回収がほぼ完了した。 2013年10月から約280通の回答用紙の入力作業を開始し、2013年12月までに第一次の電子データ化が完了した。これによって、宮城県内の宗教者達がいわゆる「心霊現象」の相談依頼に応じていること、それに対してどのようなスタンスで向かい合っているのかという問題について、宗教・宗派別のおおよその傾向を把握することができた。データの入力内容の精査と詳細な分析は現在進行中である。郵送による調査と並行して、宮城県内の僧侶、神職等を対象とした対面による聴き取りによる調査を現在までに7件行い、記録を蓄積している。これは次年度以降も継続する。 研究代表者、研究分担者による研究成果の発表は口頭発表19件、雑誌等への論文7件があり、東日本大震災被災地における心霊現象に対する宗教者の対応についての研究を着実に積み重ねることができた。このテーマに対する組織的研究はこれまでに例がないもので、国内外の研究者、およびマスコミ等の注目を集めることとなり、新聞紙上でもしばしば本研究に対して言及がなされ、心霊現象と宗教者による心のケアという問題の意義について広く社会にアピールすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心霊現象に対する宗教者の対応について、郵送調査を完了し、進行中の聞き取り調査と合わせて、データを蓄積することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対面によるインタビュー調査に比重を移し、被災地において宗教者がどのように心霊現象の悩みに対して対処しているのかについてデータを蓄積し、心のケアという観点から分析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度は郵送による質問紙調査とその入力・分析に対する比重が大きくなったために、研究会の開催が一回となり、場所も仙台市での開催となったために旅費が発生しない分担者が多かった。また謝金の支出を予定していた講師を招いての研究会の開催がなかったこと、入力作業の人件費が予想より少なく済んだことから、人件費・謝金の支出が予定を下回った。 次年度は東京において専門家を講師に招いての研究会を予定している。また、インタビューの記録をデータ化するための人件費が増加することが見込まれる。
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