研究課題/領域番号 |
25580014
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
朴 鍾祐 神戸大学, 留学生センター, 教授 (60304078)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東学 / 西学 / 民族運動 |
研究実績の概要 |
「近代化における土俗宗教とナショナリズムの相関関係に関する日韓比較研究」「近代化における土俗宗教とナショナリズムの相関関係に関する日韓比較研究」をテーマにして昨年は「土俗性」の全般的な理解を深め、とりわけ日本の国学と民衆宗教の関連に重点をおきながら研究を進めてきた。2年目は朝鮮末期の宗教的土壌を中心に、とくに「東学」というもっとも民衆には深く浸透した宗教運動を中心に研究を行ってきた。 朝鮮では日本の蘭学に相当する学問の体系として「西学」が成立するが、この学派は中国にわたり先進的西洋文化に接した儒学者によって受容された学問体系である。西の学問に対峙する思想体系は「東の学問」を表明し、台頭してきたが、この「東学」が、朝鮮固有の思想を打ち出して民衆の意識にどのような形で浸透していたのかを調べることに研究の主眼をおいた。 「東学」が近代的発展の過程において「天道教」として宗教観に大きな影響を与え、民衆運動にさらに発展していくプロセスを呈する。今年度はまず、「東学」の創始者である崔済愚の『東経大典』を中心に民族理念を見いだし、これを通して東学に表れる土俗性と固有の信仰の関わりに関する研究を行った。さらに、朝鮮末期の民衆宗教の全般的状況を把握する取り組みを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二年目は、朝鮮末期の状況について主な研究を行うことを大枠とし進めてきたが、東学についての購入した研究資料を分析しつつ、整理を行ったことで全体の枠組みを据えつつ一歩前進した成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
日韓の思想的土台が明確にさせてうえで、近代化の中で民衆運動の原動力となったものをそれぞれファクターを分析する。両国における外部的要因と内部的要因を照らし合わせて、近代国家の形成におけるナショナリズムの宗教的に相関性を把握することに今後の研究の重点におきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していた海外での資料収集が諸般事情により計画していたことよりは進めなかったことに起因することが大きい。
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次年度使用額の使用計画 |
3年目としては、資料の収集、海外研究会、セミナーに積極的に参加し、研究成果をあげる計画をしているので、旅費の部分でより支出が予想される。
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