研究課題/領域番号 |
25580024
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
関根 和江 東京藝術大学, 音楽学部, 助教 (10242257)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 音楽学・音楽史 / 音楽図書館学 / 音楽文庫 / シモン・ゴールドベルク / ヴァイオリン / 指揮 / 室内楽 / 管弦楽 |
研究概要 |
東京藝術大学音楽研究センター音楽文庫室で資料整理が進んでいる「シモン・ゴールドベルク文庫」を広く国内外に紹介し、資料利用に供すべく、以下の研究を実施した。シモン・ゴールドベルク文庫の内、実施計画に記した以下の項目を終了した。 ①整理済み資料の検証:1.洋書1028点 2.和書16点 3.楽譜917点 4.プログラム類484点 5.録音資料287点 6.新聞357点 7.雑誌95点 8.図録54点 9.断片56点 ②未整理資料の整備:1.ドキュメント類(写真、書簡を含む) 2.私家版の音響資料(リハーサル録音、テレビ放送用の映像等を含む) 3.絵画等 ③楽譜書込のスキャニング:22236枚 ④資料整備:すべての資料について清拭と修理補修を実施した。清拭の済んだ資料を中性紙製の封筒および箱に保存し、劣化を防止している。特に破損の激しい資料については、専門業者に修理製本を外注すべく、選定作業を行った。なお、楽譜書込のスキャニングについても、破損状態を考慮して専門業者に画像取込を外注する可能性が現出しており、その選定作業を行った。 ⑤公開方法の検討:研究環境整備のため、年度初めにサーバー用のパソコンとデータベース作成ソフトを導入し、また、業務中のデータ移動のため外付けハードディスクを1台購入している。当センターのホームページ経由で、インターネット上の文庫資料公開を計画しており、資料検索画面を作成する準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京藝術大学音楽研究センターで資料整理が進められている「シモン・ゴールドベルク文庫」は、資料全体の8割以上について、データ作成・データ確認・資料整備・画像取込作業を終え、文庫としての形を整えつつある状況である。今後は、公開に向けて、検索用データ整備を行う一方、文庫周知のため、8月から9月にかけて小規模な展覧会を計画しており、資料利用への道が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、下記の研究を実施する予定である 昨年度実施した整理資料の検証、未整理である書簡232点、美術品121点を整理、また、修理製本を継続する。内容確認のための調査を行い、資料整備を加速させ、文庫の充実を図る。 文庫公開の試みとして、小規模な展覧会を行い、観覧者からの意見を収集しながら、利用の方向付けを行う。 国際的研究拠点形成のため、資料目録の英語版を作成し、広く国内外に情報発信する態勢をを整える。
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次年度の研究費の使用計画 |
理由としては以下が考えられる。まず、旅費として計上した学会旅費、調査旅費を使用しなかったこと、業務委託及び業務補助の費用が当初の予定より低く抑えられたこと、資料補修費、通信費、印刷費がかからなかったことである。 次年度は、研究成果発表のため、日本音楽学会全国大会(於:九州大学)に参加する予定であり、その旅費に充てる。また、文庫整備のために調査を行うので、旅費として使用する。8月から9月に予定している小規模な展覧会のための人件費としても使用する。また、年度末には、資料目録の欧文篇を印刷・配布する予定であり、その費用に充当する。
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