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2013 年度 実施状況報告書

わが国における数字譜の史的展開――その音楽知覚・認知的特性を視点とした再評価――

研究課題

研究課題/領域番号 25580025
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京藝術大学

研究代表者

山下 薫子 (坂田 薫子)  東京藝術大学, 音楽学部, 准教授 (90283324)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード数字譜 / 史資料の収集
研究概要

本研究の目的は、日本における数字譜の史的展開を明らかにした上で、その意義と課題について、音楽知覚・認知の観点から再評価することにある。初年度の平成25年度には、主として数字譜と唱法に関する史資料の収集と調査、分析に携わった。具体的な作業内容は、以下のとおりである。
第1に、ハーバード大学Monroe C. Gutman Libraryの貴重書コーナーを訪問し、L.W.メーソンおよび数字譜関連資料の閲覧を行い、必要な頁を写真に収めた。これらは、日本の唱歌科における最初の教科書『小学唱歌集』に大きく影響を与えたものであり、この中で数字譜を用いることの根拠になったと考えられる貴重な史料である。併せて、L. W. メーソンに影響を与えた文献の調査を行って、彼の音楽教育思想の背景を探った。
第2に、明治期から大正期に日本で発行された音楽関係の雑誌から『音楽雑誌』『音樂之友』『金の船』『コドモノクニ』を、文部省音楽取調掛や民間から発行された教科書および歌集から『小学唱歌集』『小学唱歌』『新撰国民唱歌』『教科適用幼年唱歌』を、そのほか音楽書等を取り上げ、数字譜がどのように扱われているかを調査した。
今後は、収集した史資料の分析に基づいて、数字譜の隆盛と衰退の具体を明らかにするとともに、その理由について考察する。
これらに加えて、次年度に実施する予定であるインタビューの対象者、すなわち数字譜の指導に携わったことのある人物に対して、研究概要の説明と協力の依頼を行い、快諾を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.数字譜と唱法に関する史資料の収集と調査、分析について、日本で発行された雑誌の数が想像以上に膨大であったため、平成25年 度中には完結させることができなかった。そのため、平成26年度にも継続して取り組む必要が生じている。
2.他方、ハーバード大学図書館への訪問と資料の収集は、当初、平成26年度に計画していたものであるが、予定を早めて実施するこ とができた。
1と2を総合的に判断し、おおむね順調に進展していると自己評価するものである。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、当初の方針と大きく変更するところはない。ただし「現在までの達成度」でも述べたとおり、内容ごとに進展の度合いが異なるため、可能な限り、年度内に予定が完了するよう、鋭意作業を進めたい。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額、約3万円が生じたのは、雑誌記事等の収集が完了しなかったためである。
雑誌記事の複写や図書相互貸借等の経費として、平成26年度中に使用する計画である。

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公開日: 2015-05-28   更新日: 2015-06-16  

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