最終年度は計画の予定通り、研究成果の報告を主に行った。6月には保存修復学会(日本・京都精華大学)と9月にはAIHV20(国際ガラス史学会、スイス・フリブール)にてポスター発表を行った。 特にAIHVでは研究目的でもある海外での公開において十分な成果が得られたと考える。研究対象となったゴールドサンドイッチガラス碗はガラスの分野では良く知られた作品群であったが、金箔装飾に特化した研究がされておらず、会場では多くの海外のガラス専門の 研究者から質問が相次いだ。これまで日本に作品がないため情報の入手が困難であったが、多くの専門家の助力を得て日本では未公開の作品や資料を本研究の中で得られたため、基礎資料の充実が計れたと考える。ガラスでは金箔を使用した技法が多くこのような研究が有意義であることを痛感し、今後もさらに研究の幅を広げ多くの研究者への公開を引き続き行っていきたい。 また、本研究はAIHV20の学会誌(2018年出版)へ論文の寄稿を行っており、すでに査読を通過し高い評価を受けている。 論文名:「A Study on Gold-leaf Decoration Tjechnique on Ancient Gold Sandwich Glass; Especially on the Hellenistic “Kirikane” technique 」
|