研究課題/領域番号 |
25580037
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ゴチェフスキ ヘルマン 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00376576)
|
研究分担者 |
前島 志保 法政大学, 経営学部, 准教授 (10535173)
長木 誠司 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50292842)
芝田 江梨 大阪市立大学, 文学研究科, 研究員 (50597177)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 芸術研究 / 雑誌研究 / 近代大阪 / 文化施設 |
研究概要 |
平成25年度には、当初計画の中心であった『会館芸術』のPDF化および記事データベース化を完了した。また併せて、大阪朝日新聞社の社史編集センターを複数回訪問し、これまで収集できていなかった『会館芸術』の各号の補てんや大阪市の文化財に指定されている「朝日会館開館資料」の閲覧および複写・撮影を行った。そのほか大阪の池田文庫をはじめ日本近代音楽館、大阪音楽大学、京都文化博物館、京都府立総合資料館、金沢21世紀美術館において朝日会館にかかわる資料の閲覧・複写を行った。こうした資料は可能な限り、研究会として共有し、各自の研究の材料とした。 研究会としては、25年度の5月に1回、11月より毎月定期的な研究発表会をおこない、年度中に都合4回の研究会を開催した。そこでは、通常の研究発表に加えて、来年の3月に予定しているシンポジウムのための準備についても議論された。 本年度においては、各研究者が本格的に本研究会のプロジェクトに注力するという段階にまで至らなかったが、26年度には、より活発な研究活動を行いたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の中心としてあった『会館芸術』のPDF化とデータベース化が完了しており、この点で、一定の進展を見たと考えている。また、大阪朝日新聞社社史編集センターでの資料収集も計画通り行うことができた。これにより、朝日会館の全体像に関してはかなり知見を得ることができたが、個別芸術ジャンルの研究に関してはまだ手つかずの部分もあり、おおむね順調に進展しているという現状認識がもっとも適当と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2015年3月に予定しているシンポジウムに向けて、研究会を加速していきたいと考えている。各研究者が自己の関心にそって研究を行い、毎月開催される研究発表会において報告を行う。あわせてデータベースの改良や朝日新聞などでの資料収集を行っていく。 また、現在計画段階であるが、シンポジウムにあわせた展覧会の開催も予定しており、展示計画の作成を今年度の前半には完了したいと考えている。具体的には研究会のなかでシンポジウム実行委員会を組織し、駒場美術博物館や朝日新聞社との交渉を行う予定でいる。展覧会の内容は現在検討中であるが、本科研で作成した『会館芸術』の記事データベースを来場者が自由に検索・閲覧できるようなかたちで展示したいと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度においては、『会館芸術』記事データベースの完備を主要な課題としていたため、出張旅行の頻度は少なく、そのため旅費の出費が抑制された。また、26年度末にシンポジウムおよびそれに関連する展覧会を計画していることもあり、当初予定よりも26年度に配分する予算を多く取った方がよいという判断を行い、25年度の一部の予算を26年度にまわすこととした。これらの理由によって、全体として25年度の使用額は当初予定よりも少ないものなった。 26年度においては、各研究者が出張旅行や資料収集を行うことで25年度の残額および26年度の配分額を積極的に使用したいと考えている。また、26年度末に開催予定のシンポジウムにおいて、研究発表に加えて、現在講演や映画上映会、レコード演奏会などを企画しているが、このための費用も当予算から充てるつもりである。こうした研究計画遂行にあたっては、当予算全体が必要と考えている。
|