研究課題/領域番号 |
25580042
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
諏訪 晃一 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (50440962)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 文化的共有資源 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、今年度も、「コミュニティと民俗芸能研究会」を組織して、大阪市内で月例の会を実施した。この会では、国の重要無形民俗文化財に指定されている、ある村の盆踊りの継承をテーマとして採り上げ、研究者と、研究者以外の一般市民の交流の場としても機能してきた。昨年度は、この研究会の活動から派生する形で、大阪市内でこの村の盆踊りが披露されたが(2013年11月)、その際に記録した映像の一部を、本年度の取り組みとして、インターネットの動画共有サイトで一般に公開した(2014年7月)。これら取り組みは、この村の出身者と、村での在住経験のない外部者が協働する形で実施され、コミュニティの文化的共有資源を活かす実践として、一定の意義があったと考えている。加えて、2014年8月には、上記の村の盆踊りの状況について、現地で資料情報収集を行った。 また、上記の研究会とは別に、現代音楽の楽曲の演奏を中心とするアートプロジェクトの事例について理論的検討を行い、国際学会で発表した。この事例は、現代音楽の演奏を中核とする演奏会でありながらも、普段は現代音楽や現代アートとはほぼ無縁だと思われる人びとが、約500人という規模で参加した点で特徴的であった。 このように、今年度は実践面と理論的検討の面の両面で、それぞれ一定の成果が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内での研究活動には一定の成果が見られるが、海外での資料情報収集の進展の面で課題があると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2015年度は、これまでの調査を継続するとともに、研究体制そのものを拡充し、海外での資料収集等も視野に入れながら、成果の取りまとめに注力する。また、書籍の一部として、本研究の成果を発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際学会での発表を行ったが、開催地が大阪であったため、海外出張の経費が発生しなかった。また、研究会開催費用として、会場費や講師謝金の必要性を見込んでいたが、結果的に無料で開催できることになったため、その費用が支出されなかった。その他、予算からの支出を伴わない研究活動があり、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究体制の拡充を図るとともに、海外での資料情報収集も視野に入れるなど、研究活動全体をスケールアップする。
|