本科研の研究活動内容は大別して、1)CTV制作、2)インパクト評価、に2分される。1)CTV 制作は、全国美術館会議加盟館をフィールドとして進める。2)インパクト評価は、インターネット(CTV 視聴者) ならびに、近畿地方の3都市・3館をフィールドとする。 平成26年度については、概括的にいうならば 1)CTV制作は順調に進展し、コンテンツは目標の100を超えた。その結果を受けて、年度後半において、アンケート調査を実施した。また、CTV以外の参加型サイトである世界中のパブリックアートを集合知でインターネット上にアーカイブするプロジェクト MoPA (Museum of Public Art)を、本年度も実施することによってアクセス数の増加をはかり、アンケート環境を整えることに注力した。 アンケートはウェブ上にて行い、約650のアクセス数を見たが、有効回答は417であった。回答は学生、主婦、会社員、自営業など万遍なく散らばったが、男女差(男66%、女34%)と、やや偏りがみられた。これまでCTVを見たことがない人が85%であり、アンケートを媒介としてCTVに対する使用者(消費者)評価が比較的ストレートに行われたものと推測される。詳細なインパクト評価にまでは至っていないが、年間を通して美術館に行かない人31%、半年に1回の人12%、3ヶ月に1回の人11%という回答状況のなかで、CTVを見て美術館に行ってみたいと思うようになったのが「是非」が52%、「どちらかといえば」が31%というように、80%以上の回答者がポジティブな心理へと変わるなど、CTVの歴然とした効果を示す結果がいくつか見られる。また、見やすさなど、撮影・映像技術に関する問いも多く含んでいただめ、今後の改良にも資することができそうである。 以上、アンケート調査は、CTVの運営にとって効果的であるといえ、今後、詳細な評価を行ってフィードバックする予定である。
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