研究課題/領域番号 |
25580049
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森川 嘉一郎 明治大学, 国際日本学部, 准教授 (40318837)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アーカイブ / メディア芸術 / 漫画 / アニメーション / ゲーム / データベース / ポップカルチャー / ミュージアム |
研究概要 |
研究代表者である森川が平成23~24年度にかけて実施した「漫画・アニメ・ゲーム文化の媒体横断的アーカイブ構築のための調査」(科研費21720053)を下敷きに、明治大学が設置している漫画とサブカルチャーの専門図書館である米沢嘉博記念図書館を拠点に、漫画・アニメ・ゲーム文化のアーカイブ対象となる各種資料のサンプル収集の拡張を進めた。関連分野の書籍や情報誌のほか、漫画のネーム(絵コンテ)、アニメのセル画・原画・背景画・キャラクター設定画などの制作資料を取得し、あるいは貸与を受けた上で、アニメ制作会社の資料管理者をはじめとする専門家の知見を得ながら、識別・目録化を行うとともに、保存法の検討を行った。 また、森川がキュレーションならびに現場制作を担う形で開催された『SFと未来像』展(会場:明治大学博物館、会期:2013年9月1日~29日)ならびに『「リトルウィッチアカデミア」とアニメミライ~等身大原動画でみる作画の魔術~』展(会場:アーツ千代田3331、会期:2014年2月22日~27日)において、かかる制作資料の展示法を実践的に検討した。後者では、資料の制作に関わったアニメ制作会社のスタッフに聞き取りを行い、併せて記録・展示する試みを実施した。 本研究の経過については、その一部を、ハーバード大学ライシャワー研究所主催の学会「Japan Re-Examined: Perspectives Since 1973」(会場:ハーバード大学、会期:2013年9月26日~27日)にて森川が行った招待講演「The Rise of Amateur/Otaku Popular Culture in the 1970s & Issues of Archiving」の中で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で記した『「リトルウィッチアカデミア」とアニメミライ~等身大原動画でみる作画の魔術~』展の実施は、平成25年度中に起ち上がったもので、当初想定されていたゲーム分野の資料収集にかけるエフォートを割くことになった。他方、この展示は文化庁の「若手アニメーター等人材育成事業」から派生した公共性の高い企画で、複数のアニメ制作会社の協力の下、アニメ分野の資料に関する有意な進捗をもたらした。ゲーム分野に関する次年度への積み残しはあるものの、全体としておおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は25年度に行った研究を継続しつつ、25年度に手薄となったゲーム分野の資料のサンプル収集、ならびに識別・目録化に関する知見の蓄積に重心を置く。また、ボローニャ大学が主催し、2014年6月6日から8日にかけて行われる「NipPop 2014: Words & Forms from Tokyo to Bologna」に招待を受けており、本研究の経過を発表する予定である。 年度末には、日本の漫画・アニメ・ゲームのデータベース構築ならびに資料保存のマニュアルとして利用しやすい形で得られた知見を報告書を取りまとめる。報告書は関係機関や研究者、個人蒐集家などに配布し、漫画・アニメ・ゲームの収集と保存、閲覧、展示、そして研究運用へ向けた情報の共有と、連携体制の構築へとつなげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
「現在までの達成度」で記した理由により、当初想定していたゲーム分野の資料収集にかけるエフォートを割く形で、『「リトルウィッチアカデミア」とアニメミライ~等身大原動画でみる作画の魔術~』展を実施した。結果として、主にゲーム分野の資料収集ならびに知見の蓄積に用いることを想定していた予算を、平成26年度に使用することとした。 平成25年度から26年度の使用へと移すことになった助成金を、主にゲーム分野の資料収集ならびに知見の蓄積に使用しつつ、引き続き漫画ならびにアニメ分野のアーカイブ対象となる資料のサンプル収集に使用する。加えて、関連機関や企業への資料の保存状況などについての視察や聞き取り調査、ならびに当該機関や企業への配布を想定した報告書の作成・印刷に使用する。
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