研究課題/領域番号 |
25580049
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森川 嘉一郎 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40318837)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アーカイブ / メディア芸術 / 漫画 / アニメーション / ゲーム / データベース / ポップカルチャー / ミュージアム |
研究実績の概要 |
研究代表者である森川が平成23~24年度にかけて実施した「漫画・アニメ・ゲーム文化の媒体横断的アーカイブ構築のための調査(科研費21720053)ならびに本研究の平成26年度の成果を下敷きにして、漫画・アニメ・ゲーム文化のアーカイブ対象となる各種資料のサンプル収集の拡張を進めた。明治大学が設置している漫画とサブカルチャーの専門図書館である米沢嘉博記念図書館を、主な実作業の場として使用した。 平成26年度は上記に加え、日本のアニメーション産業の重要な「史跡」である東映アニメーションの大泉スタジオについて、その建て替えにともなう取り壊しを前に、全天球カメラによる撮影記録を行った。これは、同年度の文化庁「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業」の中で行われた「資料収集保存のケーススタディ事業」に際し、本研究にてこれまで得られた知見を持って協力する、その一環として実施したものである。これにより、これまで漫画・アニメ・ゲーム文化のアーカイブの主たる対象とされ、本研究においてもその保存法や展示法を研究してきた原画類などの実物資料に、「制作環境の記録」を加えることで、その研究ならびに展示的な運用に新たな奥行きを与えていくことを検討するためのサンプルを得た。 また、ボローニャ大学が主催し、2014年6月6日から8日にかけて行われた日本の漫画・アニメ文化に関する国際学会「NipPop 2014: Words & Forms from Tokyo to Bologna」への招待を受け、本研究の経過を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度には、研究を通して知見を得た漫画・アニメ・ゲーム文化の資料の展示法を、平成25年度に引き続き、展覧会の実施を通して検証する予定であったが、版権者や会場の都合などにより、企画をあらためつつ平成27年度に実施することになった(「今後の研究の推進方策 等」に記載)。 また、「研究実績の概要」で記した東映アニメーション大泉スタジオの撮影記録の実施は、平成26年度に入ってから起ち上がったもので、その資料的重要性や取り壊しを前にした緊急性、ならびに上記展覧会の繰り越しに照らし、当初実物資料の保存法や展示法の研究に割く予定であったエフォートをシフトさせた。結果として想定外の成果が得られた反面、当初予定していた範囲の研究の一部が平成27年度に持ち越されることになった。
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今後の研究の推進方策 |
研究を通して知見を得た漫画・アニメ・ゲーム文化の資料の展示法を、展覧会の実施を通して検証する(展示タイトル:「『リトルウィッチアカデミア』の世界:アニメ発メディアミックスの新潮流」、会場:明治大学博物館特別展示室、会期:平成27年8月28日~9月19日)。また、「東京国際マンガミュージアム」と仮称している、漫画・アニメ・ゲーム文化のアーカイブ施設の設立に向けて、引き続き資料の保存法と展示法の研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度には、研究を通して知見を得た漫画・アニメ・ゲーム文化の資料の展示法を、平成25年度に引き続き、展覧会の実施を通して検証する予定であったが、版権者や会場の都合などにより、企画をあらためつつ平成27年度に実施することになったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の経緯を経て、平成27年度には、明治大学博物館にて「『リトルウィッチアカデミア』の世界:アニメ発メディアミックスの新潮流」という標題で展覧会を行い、そこで漫画・アニメ・ゲーム関連の資料の展示法を検証する(会期:平成27年8月28日~9月19日)。平成26年度の未使用額は、主にその検証に向けた研究にかかる経費に充てる。
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備考 |
展覧会(予定):「『リトルウィッチアカデミア』の世界:アニメ発メディアミックスの新潮流」、会場:明治大学博物館特別展示室、会期:平成27年8月28日~9月19日
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