2015年8月1日に公開シンポジウム「忍者と探偵が出会うときⅡ」を甲南女子大学で開催した。これは2014年8月9日に北海道大学で開催した公開シンポジウム「忍者と探偵が出会うとき」の続きで、科学研究費基盤研究(C)「メディア環境との相関性に基づく日本探偵小説の史的研究」(研究代表者:押野武志、課題番号:26370226)メンバーとの合同によるものである。忍者文化研究会のメンバーからは谷口基が「忍者から探偵へ―過渡期のロマンを検証する」と題して山田風太郎『警視庁草紙』について、小松史生子が「少女漫画に引き継がれた忍者表象―和田慎二『スケバン刑事』の戦略」と題して発表した。日本のサブカルチャ-シーンにおける「忍者」表象の多様性を、「探偵」表象と接合することで新たに浮かび上がらせることができた。 また、台湾の国立中興大学の研究者との共同研究を推進し、2015年7月17日開催の国際ワークショップ「歴史と記憶―交差する台日戦後サブカルチャー史」で「昭和ノスタルジアの中の「台湾」」という題の研究発表を、2016年2月26日開催の台日研究生ワークショップ「越境と文学的想像力」で「忍者と探偵/モダニティノスタルジアの交差」という題の招待講演を行った。台湾の研究者と準備中の中国語学術論集はすでに原稿を入稿し、日本語版の刊行に向けて動き出した。韓国の研究者とも翻訳行為をめぐるワークショップの準備に取りかかった。
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