• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

明治に出版された渡米の手引書に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25580060
研究機関秋田県立大学

研究代表者

加賀谷 真澄  秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70635044)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードラトガース大学 / 海外雄飛 / 渡米の手引書 / 片山潜 / 私費留学生 / スクールボーイ / 苦学生 / 力行会
研究実績の概要

本研究「明治に出版された渡米の手引書に関する研究」は、明治期の「渡米の手引書」ブームが契機となって米国に留学を果たした若者(特に私費留学生)の出身階層と背景を明らかにし、さらに当時の社会が求めた「海外雄飛する青年像」を考察するという目的で実施された。研究期間中、国内外において、「渡米の手引書」関連の刊行物や、公費・私費留学生に関する資料の収集をすることができた。具体的には、国立国会図書館に保管されている「渡米」関連の刊行物を網羅的に調べ、また、アメリカのニュージャージー州にあるラトガース大学を訪問し、そこに保管されている、明治から大正にかけての日本人留学生の在籍者名簿、また日本人留学生に関するその他の資料を得ることができた。
ラトガース大学は、最も早い時期から日本人留学生を受け入れてきた大学だが、私費留学生が入学するのは困難であった。というのは、西海岸よりも季節就労のチャンスが少なく、学資を貯めるのが難しかったからである。しかしながら、渡米の手引書には、東海岸の大学を目指すことを勧めるものもあるため、私費留学生が東海岸の大学で学問を修めることが可能であったか否かをラトガース大学で調査した。そして、ラトガース大学の資料と日本における資料を比較・分析した結果、「力行会」のメンバーが存在していたことが確認できた。「力行会」は、資力のない若者に苦学を勧め、渡米を指南しており、渡米ブームの大きな牽引力となっていた団体である。このことから、「苦学」、「渡米」、「成功」を呼びかけられた若く貧しい労働者たちが、実際に「渡米の手引書」に導かれて行動を起こし、東海岸の大学で学問を修めていたことが確認された。また、副次的な成果として、「明治から大正期にかけての海外渡航者リスト」の空白部分の一部をラトガース大学関係者で埋めることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 『明治の移民論ー横山源之助、片山潜、幸徳秋水を比較して』2015

    • 著者名/発表者名
      加賀谷真澄
    • 雑誌名

      『秋田県立大学総合科学研究彙報』

      巻: 16 ページ: 61-69

  • [雑誌論文] 「海を渡った若者たちーラトガース大学の日本人留学生」2015

    • 著者名/発表者名
      加賀谷真澄
    • 雑誌名

      『近代文学資料研究』

      巻: 1 ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「明治の貧困をめぐる叙述」2014

    • 著者名/発表者名
      加賀谷真澄
    • 雑誌名

      『文学研究論集 』

      巻: 32 ページ: 19ー32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「明治30年代の渡米熱─貧困問題、労働運動、『成功』雑誌』との関係性』2014

    • 著者名/発表者名
      加賀谷真澄
    • 雑誌名

      『秋田県立大学総合科学研究彙報』

      巻: 15 ページ: 55ー62

  • [学会発表] 'Passion for Visiting to the U.S. in 1900's-in Association with Socialism'2014

    • 著者名/発表者名
      Masumi Kagaya
    • 学会等名
      Asian Studies Conference Japan
    • 発表場所
      Sophia University
    • 年月日
      2014-06-21 – 2014-06-22
  • [学会発表] 「1900年代の渡米熱」2014

    • 著者名/発表者名
      加賀谷真澄
    • 学会等名
      「文学における社会的マイノリティ研究会」
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2014-06-15 – 2014-06-15

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi