本課題の最終年度として、当初の予定の目標達成を意識しながら研究を進めた。 平成27年度においては、これまでの二年間のEvadne PriceおよびBernard Shawらの作品分析の結果から、20世紀前半の英国女児表象を考察するためには、(1)20世紀を現代と分断しているのではなく連続しているとみなして考察する必要性と、(2)20世紀においての女児/若年女性の表象における労働概念の重要性、の二点を認識し、現代英国の労働者階級の女児表象をおもに分析した。具体的には、渡英調査および文献調査によって、労働者階級層の二極化(元労働者階級とアンダークラス)の状況とそれにともなう表象分析をおこなった。その成果は二つの書評として発表した。 また中東映画の研究会にて英国女性文学/表象を研究する者としてコメントする機会を得て、英語圏の研究者だけでなく中東研究者とも本研究成果を共有することができた。
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