若草文庫と秋元ジュニアシリーズはロールモデルを求める少女の読書の牽引役となった。村岡花子は翻訳家として性を排除した少女小説のジャンルを確立した。表紙買いが多く、読者層は中学生から社会人まで幅広く男子の愛読者もいた。少女探偵ものと孤児が主人公の家庭小説は現在まで読み継がれている。洋画の原作や中流階級の娘が主人公の学園ロマンスが主流だった。経験者の留学アドバイスも掲載され、若い読者のアメリカ志向を助長した。だがデートやソロリティなどのアメリカの学園文化はなじみにくく、卒業舞踏会のドレスに頭を悩ませるような消費主義は当時の日本の生活レベルとは隔たりがあり過ぎた。
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