研究課題/領域番号 |
25580072
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山尾 涼 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 研究員 (70639608)
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研究分担者 |
土屋 勝彦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90135278)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | カフカ / フロイト / アントロポロギー / 近代以降の人間像 / 近代以降の身体観 / ドイツ語圏文学 / ドイツ語圏思想 / 精神分析 |
研究概要 |
研究代表者山尾は2013年8月にウィーンのフロイト博物館へ資料収集および写真撮影に赴き、現地の研究員にインタヴューを行った。その成果を2013年9月に北海道大学で行われた日本独文学会のシンポジウムにて、「世界の破れ目と回帰する〈身体〉―フロイトとカフカにまつわるアントロポロギー」というタイトルで発表を行った。その際にフロイト博物館で撮影した写真等をパワーポイントのスライドに使用した。同シンポジウムで共同研究者の土屋勝彦は司会を務め、現代においてフロイトをドイツ文学の側から改めて考察する意義を述べて、質疑と議論のまとめに貢献した。本シンポジウムの成果を研究叢書としてまとめて、土屋氏は全体の序文の執筆を担当した。また山尾は2013年度に愛知工業大学紀要論文に、「カフカの『あるアカデミーへの報告』から読む人間像-ロートペーターのミミクリの破綻と権力の複製性」を発表した。 交付申請書に記載した研究実施計画書と照らし合わせて2013年度の研究を総括すると、「平成25年度の研究実施計画書」の欄に記載した3つの研究目標のうち、「2. フロイトとカフカの身体観、人間像の共通性の確認」と「3. 抑圧された〈身体〉の回帰の検証」は考察および実証することができ、まもなく発行される研究叢書にて確認することができる。しかし、3つの研究目標のうちのひとつめの目標である、「1. フロイトとカフカ以前の身体観、人間像の系譜を明らかにする」という目標は前年度中に達成することができなかった。この目標は2014年度に引き継ぎたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究実施計画に掲げた3つの目標のうち、2つを達成しており、また平成26年度分の研究計画に掲げた目標も目下順調に研究中であることから、進展状況は良好であるといえよう。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き共同研究者土屋氏と連携をとりつつ、交付申請書に記載した研究実施計画書に記した「平成26年度の研究実施計画」に基づいて研究を進めていく。山尾は今年度は、麗澤大学にて催される日本独文学会のシンポジウムに参加する予定であり、そこでは図画表象に表れるカフカの人間像、身体観を発表する計画になっており、これも研究叢書が発行される予定である。これは当初の研究計画にはなかったことだが、本研究課題におけるカフカの身体観と人間像にまつわる研究を深める上で十分に役立つことが予想される。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者土屋に支給された費用は資料収集、インタヴューなどに使用するには不十分であったため、平成26年度に繰り越して国内外の研究会参加に使用したく、この結果となった。 国内外で行われる研究会や学会で発表を行うために使用したく、計画中である。
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