本研究は、9、10世紀東アジアにおける宗教儀礼の変化とそこに生まれる多様な芸能と文学を検討する為の基礎的な研究環境づくりを目標としてきた。そのために日本史、中国文学、日本文学、民俗学、仏教学などの専門領域を超えたメンバーが集まり議論する場を構築し、自由な議論ができる環境のなかで研究を行ってきた。 3年間の具体的活動としては、研究者が個別で敦煌文献や日本残存資料から関連資料を収集、整理する、小規模の研究集会を開き、収集した資料を紹介し議論を通じて多角的に検討を加える、の2点を中心とし、複数回の国際研究集会主催及び共催を通じてそのような議論を進めてきた。代表的な研究集会は以下のような6件の国際研究集会、シンポジウムがある。①国際研究集会『東アジアの宗教儀礼-信仰と宗教の往還』(名古屋大学、2014年12月13日、14日)、②国際研究集会『東アジアの宗教儀礼-信仰と宗教の往還』(名古屋大学、2014年12月13日、14日)、③『敦煌学国際学術研究会in京都』(京都大学、2015年1月29日、30日)、④広島大学、首都師範大学研究与協同創新学術研討会『東アジア世界とシルクロードの縁』(2015年7月30日)、⑤国際研究集会『法会と空間』(京都大学、2015年10月3日、4日)、⑥『玄奘フォーラム』(『東アジア宗教文献国際研究集会』と共催、2015年12月12日、13日)。最終年度となる27年度にはこのうちの④、⑤、⑥のような3回の国際研究集会を開催し、後の研究に発展させる機会とすることができた。なお、これらの会議で議論されてきた内容は一部出版を用意している。
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