研究課題/領域番号 |
25580079
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研究機関 | 山形県立米沢女子短期大学 |
研究代表者 |
加藤 聰 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 准教授 (10335325)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中国古典文学 / 唐代文学 / 盛唐 / 封禅 / 郊廟祭祀 / 郊廟歌辞 / 楽府 / 張説 |
研究実績の概要 |
本課題研究の第2年となる本年度は、初年度に行った基礎資料の初歩的整理と分析に基づいた、郊廟歌辞実作の精密な解読を中心に研究を進めた。 具体的には、前年度に前倒しで開始した、玄宗開元13年の泰山封禅の儀に際して奉奏された封禅使張説による郊廟歌辞全14首について、あわせて40,000字を越える詳細な訳註を完成させた。この訳註では、初年度のテキスト整理によって得られた知見をもとに、本文を従来顧みられることの少なかった『大唐郊祀録』所収歌辞の文字と対校することにより、『楽府詩集』および『旧唐書』音楽志のテキストを校訂できた箇所が少なくない。また、『毛詩』(おもに雅頌)・三礼をはじめとする儒家経典、『楚辞』や『文選』、前漢「郊祀歌一九章」以来盛唐以前の各種郊廟歌辞や、開元13年封禅の儀にかかわるその他の詩文、祭祀儀礼そのものについての規定・記録などを渉猟することにより、歌辞楽章の措辞やその発想の拠り所を相当詳細に明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に前倒しで開始していた訳註を当初の計画どおりに完結させ、儒教経典などとの関係についての分析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの成果、特に基礎資料の整理と歌辞本文分析の結果得られた知見について、成果を報告したい。 また、玄宗朝郊廟歌辞との対照として、則天武后期作成にかかる楽章歌辞の分析を、別に訳註を作成するかたちで進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献資料を用いての研究であるため、直接経費の大半は資料(書籍)の購入に充てられたが、本年度必要とした資料購入で全額を用いることがなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度にひきつづき必要となる資料購入に充てる予定である。
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