研究課題/領域番号 |
25580081
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高木 裕 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60116944)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 〈声〉 / デジタル時代 |
研究概要 |
初年度にあたる本年は、研究参加者それぞれの専門分野(文学、哲学、映像文化)を越え、共通の問題意識を設定する基礎作業が中心となった。その意味において、『日本国語大辞典』改訂版の編集長を務め、現在は電子書籍制作部門の統括者である佐藤宏氏(小学館)を講師に招いて開催した研究会(2013年7月8日)は、非常に大きな収穫となった。デジタル化を余儀なくされている出版業界の現況から判明したのは、紙かデータかという、物質的な二者択一だけに還元・矮小化されるものではなく、労働および知的生産物の価値付けといった人間存在の構成要素にまでかかわる諸問題であった。同研究会で得た知見は、声という観点からデジタル化について考察する本研究にとっては重要なものである。そのため、次年度に予定されているより包括的なシンポジウムの基盤となると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の箇所において述べたとおり、研究参加者それぞれの文学、哲学、映像の専門領域を横断する観点を持ちえた。加えて、各人もそれぞれの領域において、着実に成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
前半は、デジタル技術によって変容される声と人間主体の関係について、文学・哲学・映像の各領域において掘り下げる。後半においては、三領域での成果を発表し、領域を横断する視点を再度構築するために、シンポジウムを開催し、メディア論研究者などを招へいし、さらなる討議を重ねる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に行う予定であったシンポジウム(あるいはワークショップ)の開催が、予備的な研究に時間を費やしたために、次年度に先送りせざるを得なかったため。 平成26年度に、シンポジウム(あるいはワークショップ)を開催して、国内外の研究者の研究交流を図る予定である。
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