沖縄語には明治期以来の研究の蓄積があるが、外国語教育の方法にもとづいて語彙や文型を整理して学習するための教科書はまだ存在しない。本研究では、日本語教育の方法論を用いた文型積み上げ式の初級沖縄語教材を開発した。名詞文から始まり、身につけやすいものから複雑なものへと、既習の学習項目の上に積み上げていく形で文法事項を学習するように配慮した。沖縄語と日本語との共通性から、名詞文、形容詞文や動詞文の順で提出し、活用形、ヴォイスや待遇表現(敬語)までの流れを考慮してテキストを作成した。ただし、主題の形、動詞活用、指示語の用法など沖縄語と日本語とで異なる部分については提出順序や説明などを工夫した。
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