研究課題/領域番号 |
25580123
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
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研究分担者 |
松澤 大輔 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10447302)
大井 恭子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70176816)
ホーン ベバリー 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80595786)
宮寺 千恵 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90436262)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発達性読字障害 / 読字反応時間 / 個別指導 / 言語認知 |
研究概要 |
日本児童での外国語教育の場において、欧米同様多く存在が疑われている英単語読字書字障害(以下英単語dyslexia)の脳内病態に対応した効果的individual educational planning(個別教育支援計画)開発を目的に研究を進めた。初年度では、日本児童用の英単語における読字障害診断ガイドラインは策定されていない現状から、英語が母国語ではない日本児童向けの英単語dyslexia検出スクリーニング検査作成の準備として、英国リーズメトロポリタン大学のdyslexia centreを訪問した。英国でのスクリーニング検査状況ならびに支援体制につき意見交換した。 一方、日本での英単語dyslexia児童の実態を明らかにするため、ひらがな、英語、イタリア語の単語認知反応時間を日本在住児童(帰国子女を含む)ならびにイタリア在住補習校児童に対し実施した。全体として母国語である言語の単語はその他の言語の単語に比し短縮するが、年齢とともに短くなることも判明した。今後単語認知の学習達成度の評価に利用できると思われた。英国訪問では在住児童の単語認知検査を今後実施するにあたり、関係者と協議した。また主に千葉市在住児童で英単語dyslexiaが疑われる児童に対しては、同様に反応時間を計測するとともに、分担研究者の宮寺を中心に個別指導を実施しした。また千葉市養護教育センターを中心として、日本語ならびに英単語dyslexiaの検出スクリーニング体制を協議し、今後新たな英単語dyslexia児童を早期に見出し個別指導につなげた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
語彙概念とリンクする読字反応時間検査は、日本ならびにイタリア在住児童で実施し、環境要因など言語認知にかかわる要因を検出しえた。日本人向け英単語dyslexiaスクリーニング検査は現在作成中であり、次年度の課題とした。
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今後の研究の推進方策 |
次に日本における英単語dyslexiaの脳内機構を解明するため、我々が開発した外国語語彙概念リンク反応時間検査を進める。日本語でのdyslexia児童は英単語にも読み書き障害を伴いやすいことが判明したので、認知神経学的検査を実施し、その結果に基づき認知神経学的に教育支援方法を開発する。最近開発された視線追跡装置であるGAZEーFINDERを駆使して、読字障害児の視覚運動の異常の有無も検討する。以上の結果を入れて、英単語dyslexia児童への読み書き指導法ならびに工学支援機器を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内ならびに英国での英単語読字障害実態調査解析に時間を要し、その結果計画予定であった読字障害スクリーニング表作成ならびに検査に要する物品費を使用が次年度ともちこしとなった。 英単語読字障害スクリーニング表を作成し、それに基づく調査用紙作成ならびに読字障害検査プログラム開発費の補充にあてる。
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