研究課題/領域番号 |
25580127
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木下 徹 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90177890)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 協働 / 脳科学 / fNIRS / 外国語教育 / 第2言語習得 / 母語 / スピーキング / 語彙学習 |
研究概要 |
本研究は、協働活動と脳科学の重なりの観点から第2言語習得や外国語教育における、目標言語の非母語話者の教師、すなわち、学習者と共通する母語を持つ教師の可能性に焦点を当て、この分野で、これまであまり利用されてこなかった、脳画像処理の技術を応用することの可能性を探るものである。 本年度は初年度であり、先行研究の調査と実験課題の設計とその予備的実施を中心に活動を行った。具体的には、第2言語習得に関連した協働課題として、(1)リスニング課題、(2)交互文章読み上げ課題、(3)スピーキング課題、(4)語彙推測課題、(5)語彙学習課題、(6)速聴課題、(7)その他を作成し、本研究の目的に対する適切性を検証するため、日本人の大学1、2年生10数名を対象としてパイロット実験を行った。このうち、(1)から(4)については、実験参加者がそれぞれの課題を行なう際、パートナーとなる教師役の人物を、目標言語の母語話者の場合と、非母語話者(=実験参加者とL1が共通な話者)の場合を設定した。その際、教師役の人物の母語話者と非母語話者の出現順序、課題の難易度、トピックの新密度等は、課題遂行時にできるだけカウンターバランスを取るように配慮した。 脳血流の相対的増減のデータと併せて、行動データとして、リスニングにおける理解度テスト、スピーキングにおける産出語数、語彙推測課題における推測成功率、語彙学習における定着率等を測定した。あわせて、直後に半構造化インタビューを行い、質的データの入手にも努めた。 実験機器、および、実験補助者の確保その他諸般の事情により、実際の実験は年度末3月の後半に行わざるを得なかったので、結果の解析は現在継続中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験機器、目標言語の母語話者の実験協力者、実験補助者の確保、並びに、実験課題の作成が、それぞれ、当初の予想以上に困難で、時期的にも、年度末にならざるを得なかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、初年度末のパイロットスタディの結果の解析に注力する。合わせて、語彙学習課題を中心に、脳血流を測定しない形での、フォローアップスタディを実施して、結果の解析の参考資料とする。これらの結果に基づき、第2年度の本実験の立案と実施に努める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ、昨年度申請時の3年計画の計画通り(ただし、希望額より、各年度に与えられた金額に合わせて修正した額)に予算面からは執行している。417円の残額は執行時の軽微な余剰である。 消耗品を中心に、差額を調整する。
|