目標言語の母語話者の教師との比較を念頭に、非母語話者の教師(学習者と母語は共通)の潜在的可能性を探るため、主として、教室場面での新出語彙遭遇時の習得、及びスピーキングと協同作業の場面を想定し、行動データと脳血流デーを使用して調査した。 語彙習得では、訳語を用いる方が、目標言語の類義語より、学習直後も約2週間の遅延後も概して効率的であることが示唆された。他方、スピーキングと共同作業では、実験装置の故障等がありデータ収集が最終年度の2月にまでかかり、この部分の分析はさらに進める必要があるが、予想以上に個人差等の影響が大きく、観測された差違を教師役の母語の特性にのみ帰すのはある程度困難と思われる。
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