研究課題/領域番号 |
25580136
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
中山 誠一 城西大学, 語学教育センター, 准教授 (10552763)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リスニング / シャドーイング / 最低限の音韻知識 |
研究概要 |
本研究の目的は、グローバル化社会において日本人に必要とされる「最低限の英語の音韻的知識」の枠組みを、シャドーイング法により検証することにある。平成25年度の研究計画では、研究期間を、前期、中期及び後期に分け、前期を言語材料の選定、中期をパイロット・テスト期間、前期は、言語材料の選定及び作成期間とした。具体的には、シャドーイング材料として、文部科学省検定教科書を参考に、指定単語が含まれる300語程度の英文による説明文、場面を設定した会話文を10種類ほど作成することであった。しかしながら、平成26年度に調査実施を依頼していたラーマン大学の研究者との事前の打ち合わせを行った結果、計画を変更してラーマン大学の学生を対象にパイロットテストを実施することにした。具体的には、10種類ほど準備する予定であった言語材料を1種類に絞った。中期は当初日本人学生を対象としたパイロットテストの期間としていたが、準備した言語材料の音声材料作成とラーマン大学における調査研究実施のための準備期間とした。後期は、再調整期間の予定であったが、平成26年2月2日から2月7日まで、マレーシアのラーマン大学を訪問し、現地の学生68名を対象に実験を実施した。その結果、準備した言語材料についてのシャドーイングの復唱量は平均で44%であることがわかった。現在、実験結果についてより詳細な分析を行っており、この実験結果のまとめについては、今年度ラーマン大学のPek氏とKoon氏と共同で学会発表を行う予定である。また、この実験結果に基づいて来年度の計画を進めたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、グローバル化社会において日本人に必要とされる「最低限の英語の音韻知識」の枠組みを、シャドーイング法により検証することにある。当初の研究計画では、マレーシアにおける実験は、日本における実験の後に実施する予定であったが、ラーマン大学の研究者との事前の打ち合わせを行った結果、ラーマン大学でパイロットテストを行うことにした。その結果、中華系、インド系、マレー系の学習者間で、シャドーイング量に違いがあることがわかり、今後本実験を行うにあたって貴重なデータを得ることができた。また、今回の訪問では、日本人学習者向けの音声材料を作成することもできた。以上を踏まえると、言語材料の数は予定より少なくなったが、おおむね来年度の計画を計画通り実施できる見通しがたっていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も,平成25年度同様、研究期間を前期、中期及び後期に分け、前期を日本における調査実施期間、中期をマレーシアにおける調査実施期間、そして後期を調査結果の分析まとめ実施期間とした。前期は、日本における実施期間とする。日本の大学生を対象とした調査実施期間となる。現在のところ関東地区の大学生100名ほどを予定している。中期は、マレーシアの大学生を対象とした本調査実施期間となる。調査実施にあたっては、ラーマン大学基盤教育センター所長のPek氏協力を仰ぎ、同大学で実施することを検討している。また、平行して平成25年度に実施したパイロット実験の結果をラーマン大学のPek氏およびKoon氏と共同で日本で学会発表を行う。後期は、前期及び中期の調査で得られたデータの分析と結果の公表の時期にあてる。具体的には、調査で得られたデータを、国及び単語ごとに分析し、どの単語が他の単語と比較して聞き取りづらかったのかを分析する。調査結果は国内外の学会誌に投稿を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由としては、主に①言語材料の選定及び作成の過程で必要な物品費用が予定より少なく済んだこと、②予定よりも旅費が少額で済んだことの2つが挙げられる。 次年度使用額については、平成26年度使用額と合わせて以下の通りの使用を計画している。①結果分析および音声材料呈示用の情報機器およびソフトウエアの購入②学会共同発表者の日本への招へい費用、③データ収集のためのマレーシアへの渡航費用④研究成果発表のための費用
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