本研究は、言語指導にかかわる教師の認知の探求を目的として2年間実施し、従来の探索的な質的調査方法(アンケート、インタビュー、観察)では明らかにしにくい複雑な言語教師の認知を、日本的思考と複雑性(系)理論(Complexity Theory)を応用した「全体を見る」手法を用い、言語を指導する教師の認知の特徴を探索的に調査することを意図した。本研究の具体的目標は、1) 言語教師の認知の調査方法の開発、2) 言語教師の認知が与える授業と生徒の学習への影響、3) 言語教師の認知に関する複雑性(系)理論の応用、の3点である。結果として、複雑適応系(CAS)を基盤とした10段階ステップの調査法を開発した。
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