研究課題/領域番号 |
25580144
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
池上 真人 松山大学, 経営学部, 准教授 (60420759)
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研究分担者 |
青木 信之 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80202472)
渡辺 智恵 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80275396)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多肢選択型問題 / 英語文法知識 / 複数正答 |
研究概要 |
2013年度は多肢選択型の択一式と複数正答式がどの程度、理解している学習者と理解していない学習者を弁別するかを明らかにすることを試みた。 調査では、文法項目の中の「時制」に焦点を当てて、択一式と複数正答式の2種類の文法問題を作成し実施した。調査結果から、例えば、択一式、複数正答式の双方で、正答として「will+動詞」のみを選ぶべき設問の結果を比較したところ、択一式問題では設定された全ての設問に正解している学習者(つまり、正解率100%)の複数正答式問題での正解率は38%であった(但し、複数正答式の場合は過不足なく正しい選択肢が選ぶことができた場合を「正解」としている)。さらにその誤答の中で、正答に加えて余分に他の選択肢を選んでしまった割合を調べたところ63%であった。つまり、「be going to」など「will」と書き換えられると考えられそうな選択肢がある場合に択一式であれば考慮する必要のない書き換えの可能性を複数正答式の場合には検討する必要があり、択一式の問題の場合には明らかにならない学習者の「知識の曖昧さ」を複数正答式では明らかにできているのだと考えられた。 2013年度の調査参加者の中には、そもそも時制についての知識が正確であるものが多くはなく、正答と誤答を比較するためにはデータにかなりの偏りが出てしまった。そのため、さらに追加でデータを収集する必要性が生じたため、2014年度に前年度とは異なる学生たちを対象に追加でデータを収集し、それらを合わせて再度分析を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度は択一式と複数正答式の弁別力の比較に加えて、択一式問題の推論プロセスを明らかにするためのプロトコル調査を行う計画であったが、想定以上に量的調査に時間がかかってしまったため、2014年度に実施することとなった。その原因としては、2013年度の調査参加者の中で正確な文法的知識を持っている学習者が想定していたよりも少なく、各設問の正答と誤答を比較する上で偏りが大きすぎたため、追加調査が必要になったことが挙げられる。しかしながら、すでに追加調査を実施しているところであり、全体の研究計画には大きな影響は及ぼさないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
すでに上述の通り2013年度に計画していた調査の一部を2014年度に実施することになった。すでに調査には着手しているが、それらを2014年度前期中に行うと共に、当初から予定している2014年度の調査を可能な限り早急に実施する予定である。2014年度実施予定の調査も後期始めには実施することが可能であると考えられるため、2014年度の研究計画を大幅に変更する必要はないと考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、第一にプロトコル調査に必要な調査参加者に対する謝金の支払いが2014年度になったためである。また第二に旅費が想定よりも少なく済んだことも理由の一つとして挙げられる。 謝金については計画通り2014年度に支出する予定であるため、それ以外の使用計画に大きな変更はない。
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