本研究は、広く一般的に用いられている問題形式である多肢選択問題の択一式と複数正答式の比較研究である。択一式と複数正答式の問題を比較調査した結果、択一式よりも複数正答式の方が学習者の文法的知識を測る際により妥当性が高いことが示された。また2つの形式で使われるストラテジーに大きな違いはないものの、ストラテジーを「誤答を探すため」に使うのか「正答を探すため」に使うのかが異なっていた。さらに、複数正答式は「選ばなかった」ことを正答とすることが可能であることから、選択しなかった選択肢を採点に加えることで、より正確に文法項目の理解を問うことが可能であることが明らかになった。
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