研究課題/領域番号 |
25580162
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桜井 万里子 東京大学, 人文社会系研究科, 名誉教授 (90011329)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 古代ギリシア / 多神教 / オルフェウスの秘儀 / エレウシスの秘儀 / デルヴェニ・パピルス / ポリスの宗教 |
研究概要 |
初年度の研究計画として第一に挙げた関連文献の収集はほぼ達成した。最新のものでは、L.Papadopoulos and L.Muellner (eds.), Poetry as Initiation: The Center for Hellenic Studies on the Derveni Papyrus, Cambridge, Mass. and London, 2014を入手した。 デルヴェニ・パピルスの解読については、秘儀の儀礼への参加者の姿勢に関連する記述がある第XXコラムに検討を加えた。その記述とプラトン『国家』364b,eの記述を比較検討しながら両者の類似と相違を明確にした。同コラムにはポリスの公的祭儀一つであるエレウシスの秘儀とオルフェウスの秘儀との相違が述べられているのか否か、研究者の意見は分かれるが、オルフェウスの秘儀とその信者たちがポリス(国家)とどのような関係を築いていたのか解明可能であろう。初年度の研究成果については、本年(平成26年)4月下旬にアテネの英国考古学研究所にて開催される第3回日欧古代地中海世界コロキアムで報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の計画で挙げた関連文献収集はほぼ達成できた。 他方、デルヴェニ・パピルスのテクスト読解については、第XXコラムおよび関連の第VI,VIIコラムについて終了したのみである。これまでに収集した文献の中から上記のコロキアム報告と関連する研究テーマについて、これまでの成果を参照し、それらに検討吟味を加えて、コロキアムの報告原稿作成にその成果を反映させた。しかし、その研究に予定以上の時間が費やされてしまったことが、その理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本年4月下旬のアテネにおけるコロキアムで行なう予定の報告に関して、参加研究者たちと意見交換を行なう。さらに、その結果を参考にしながら、これまでの研究を整理し、同時に、デルヴェニ・パピルスの未読解部分について予定の作業を進める。今年度中を予定していたテッサロニキ博物館所蔵のデルヴェニ・パピルス本体の実見は、全体の解読作業を終えた後でなければ意義も成果も低いため、予定を繰り下げて、最終年度に行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に遂行した研究の成果を報告し、意見交換をする場として予定していた第3回日欧古代地中海世界コロキアムの開催が予定より遅れ、2014年4月下旬に開催となったため。 上記の第3回日欧古代地中海世界コロキアムが在アテネ英国考古学研究所で2014年4月25,26日に開催されることが決定したため、4月20日過ぎにアテネに出張し、現地に8日間ほど滞在し、25,26にちのコロキアムにて報告する。また、関連の遺跡も調査し、以後の研究活動の準備をする。
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