過去3年間にDPのテクストの暫定訳を済ませたが、復元についての検討はもちろん、語彙についても、より高度な精査が必要であると認識している。他方、「オルフェウス教」に関する最近の研究動向が、本研究の姿勢と一致することを確認でき、それが研究を進めていく際の後押しとなった。そのようななかでDPの翻訳作業を続けたのだが、「オルフェウス教」の儀礼の形成に、エレウシスの秘儀からの影響とともに、ペルシアの影響も無視できない。その結果、前5世紀の「オルフェウス教」を古代ギリシア宗教全体のなかで位置づけるにも、当時のギリシアとペルシアの関係が深く関わっているという前提の下に研究を進めるべきである、との結論を得た。
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