オントロジーに基づき、地理学の研究対象をある場所に位置づけられる事象と、事象が位置することである特性を帯びる場と定義づけた。系統地理学は前者を対象とし、地誌学は後者を対象とする。地理学における「地域」は多義的に用いられており、系統地理学では、地域は事象を記述するツールとして用いられ、一方、地誌学では、その対象である特性を帯びる場を地域と称してきた。系統地理学においては、「地域」とともに「景観」が記述のツールとして用いられてきた。ある場所に位置づけられる事象を「景観」と「地域」で記述し、「環境」、「伝播」「距離」、「時間」、「流動」によって、「景観」と「地域」を説明すると整理できる。
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