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2016 年度 実績報告書

地方花柳界の盛衰と文化資源化に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25580186
研究機関関西学院大学

研究代表者

島村 恭則  関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード花柳界 / 地方都市 / 芸者 / 舞妓 / 文化資源化 / 花街
研究実績の概要

補助事業期間延長による本年度は、本科研3年間の成果にもとづく海外学会発表を、2016年10月28・29日に、ドイツ・ミュンヘン大学にて開催されたドイツ民俗学会・日本民俗学会共催国際シンポジウム「ドイツと日本における民俗学の視点と位相」で行った。発表者は、研究代表者の島村恭則と、研究協力者の谷岡優子である。
島村の発表は“What is Minzokugaku?”で、これは日本民俗学の特質を、社会科学的コンテクストと人文学的テクストとの有機的な連関にあると論じたものだが、その具体例として、地方花柳界の盛衰と文化資源化に関する本研究の内容を取り上げた。地方都市の社会的コンテクストに配慮しつつ、地方の芸能・文化テクストがそれぞれの土地の花柳界において編集される実態を調査・分析するのは、民俗学の視点と方法ならではのものであることを指摘した。谷岡の発表は“Conversion of Value in the World of Geisha Performance.”で、現代の花柳界文化の構造変動を論じたものである。現代において、観客は、「芸者」の芸ではなく、「舞妓」の若さや華やかさのほうに価値を見出すようになっており、このことが、花柳界の文化資源化における「舞妓の前景化」をもたらしていることを指摘した。
海外での花柳界についての認識は、フジヤマ、ゲイシャのステレオタイプに留まっているのが一般的であるといえるが、そうした中で、両名の発表は、ドイツ側研究者にとって大変新鮮なものとして受け止められ、多くの質疑応答が行なわれた。本科研での研究活動の締めくくりとして実施した上記の海外発表は、本科研の成果の国際的な公表という点で、きわめて大きな意義があったと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 「民俗学」とは何か2017

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 雑誌名

      文化遺産

      巻: 46 ページ: 59~65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 民俗学の研究動向と方言研究との接点2016

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 雑誌名

      方言の研究

      巻: 2 ページ: 151 ~ 163

    • 査読あり
  • [学会発表] What is Minzokugaku?2016

    • 著者名/発表者名
      Shimamura Takanori
    • 学会等名
      Perspectives and Positions of Cultural and Folklore Studies in Japan and Germany
    • 発表場所
      ドイツ・ミュンヘン大学
    • 年月日
      2016-10-28 – 2016-10-29
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Conversion of Value in the World of Geisha Performance2016

    • 著者名/発表者名
      谷岡優子
    • 学会等名
      Perspectives and Positions of Cultural and Folklore Studies in Japan and Germany.
    • 発表場所
      ドイツ・ミュンヘン大学
    • 年月日
      2016-10-28 – 2016-10-29
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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