研究課題/領域番号 |
25590010
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 禎男 福岡大学, 法学部, 准教授 (50346748)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 情報通信 / 情報法 / 情報公開法制 / 個人情報保護法制 / 放送通信法制 / 災害法制 / 原子力法制 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、原子力領域ならびに情報公開・個人情報保護領域における日・仏比較研究を予定していた。しかしながら、平成25年度からの継続課題であった直近の(改正)フランス原子力安全機関(ASN)の根拠法令の把握に時間を要し、目下のところ成果公表にまでは至っていない。そのため、次年度も継続して作業に従事したい。反面、わが国における原子力行政の在り方については、その実情を探るべく民間事業者(電力会社)にも赴いて状況把握に努めた。 情報公開・個人情報保護領域についても、日本法研究が先行している。ここでは論攷が1点、最新の判例研究にかかる業績3点の計4点を公表した。また周縁的ではあるが各論としての重要な問題として、災害時に向けた個人情報の保護ないし管理と伝達、災害に対処する際のアクターとしての行政および市民(あるいはその団体)の活動に関する理論およびフィールドワークにかかる成果物3点も公表した。なお当該成果に関しては、学会における個人報告も行っている。他方、フランスに関しては、これまでの自身の成果物以降の制度設計の変遷にかかる状況把握を行い、枠組み自体に大きな変化が生じていないことを確認の上で、最新の図書等の文献を発注している状況にある。継続的に渉猟して自身の成果物につなげる所存である。 なお、本格的な取り組みは次年度になるが、放送・情報領域におけるフランス法研究についても、情報公開・個人情報保護領域に同じ進捗状況にある。 最後に平成26年度は、登米コミュニティエフエム、大阪大学図書館、京都大学・曽我部真裕教授研究室、情報ネットワーク法学会への出張を踏まえ、上記諸領域にかかる日仏の精確な状況把握にも努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日仏比較法研究の実践という意味では、対象とする諸領域における日本法研究が先行しており、成果物はあるものの、フランスにおける状況把握に関してはむしろ後手に回っている。 もっとも、フランスにおける法的な枠組みの変化に対する認識を新たにした点で、また有識者への聞き取りによる精確性の担保を図り、目下、基本文献の収集・渉猟段階にあることからすれば、着手には至っているため、進捗自体は認められる。しかしながら、当初のヴィジョンとアジェンダの下での成果物公表に至れなかった点では、やはり「やや遅れている」と評価せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の2年目を終えて、渡仏による国外調査研究の必要性に関しては不要、現在、順次収集中の文献や公的なウエブ情報の渉猟等の継続で研究推進方策が足りるものと考えている。 そのため、計画書の記載に従って、国外調査研究の予定費用に関しては、各種文献(フランス法およびEU法の図書)購入費用に振り替える予定である。当該手法の実践によって平成27年度の研究を遂行し、確実な成果物を公表する所存である。
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