原子力領域、情報公開・個人情報保護領域における第三者機関にかかる前年度からの研究継続については、特にフランスにつき必ずしも十分な成果の公表に至っていないのが現状である。ただし平成27年度中には、平成25年度以降の継続的な問題意識を深化する作業上での大幅な進捗があった。 すなわち、前年度からの課題としていたフランス原子力安全機関(ASN)の直近の改正根拠法令の把握も含め、さらに情報公開(CADA)・個人情報保護(CNIL)、放送(CSA)・通信(ARCEP)領域も含めた各分野・領域における各機関に関して公刊された、直近の法典(改正法令集積)や専門書籍等の仏語(一部英語)文献をほぼ確認・入手することができた(平成27年度の支出は、ほぼこれらの購入費用に充てた)。目下、渉猟・分析段階に進んでいる。 そのため、当初からの予定からは遅れているが、研究期間(平成25-27年度)終了後の平成28年度以降に、代表者異動後の新たな研究機関(琉球大学)において刊行される媒体(紀要)、あるいは専門(商業)誌上で順次、成果物を段階的かつ分野ごとに公にする予定である。 他方、比較法研究への前提として、わが国については、特に情報公開・個人情報保護領域における直近での課題ないし展望について、自身が従事した実務経験にそくして分析を行った成果を、さらには重要な裁判例の分析等についての成果物を公表した。 また、平成27年度は、以下の2つの研究会における講演および報告も行った。①「大規模災害と住民参加(地区防災計画のあり方)」第10回都市防災研究協議会(政策)(2015年10月5日。於・京都大学品川オフィス)、②「コミュニティにおける災害時の情報伝達・共有のあり方」地区防災計画学会第11回研究会(2015年12月12日。於・名古屋大学東京オフィス)。これらの成果物の公表も、平成28年度以降に行う。
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