研究課題/領域番号 |
25590013
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
田中 建一 東洋大学, 工業技術研究所, 客員研究員 (10568637)
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研究分担者 |
土田 賢省 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (30231434)
加藤 千恵子 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (50369865)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 精神障害の労災認定 / 業務における心理的負荷評価表 / 業務上外認定 / 知識的・時間的負担軽減 / コンピューター判定システム / 裁判例検索機能 / 情報工学と法学の連携 |
研究実績の概要 |
本研究は、①精神障害の労災認定基準に採用されている「業務における心理的負荷評価表」をコンピューターに組込み、②簡易な選択方式(YES・NOの選択)により、③コンピューターによる心理的負荷による精神障害の業務上外認定の一次判定のためのシステムの開発である。その目的は、精神障害の労災認定基準を用いた現行の認定の利用者(認定者)の知識的・時間的負担軽減を図ろうとすることにある。 平成25年度までの研究で、「業務における心理的負荷評価表」のコンピューターへの基本的組込みは一応、終えている。しかしながら、「業務における心理的負荷評価表」の内容をそのまま組込んだものであり、コンピューターが利用者に積極的に質問を発する機能が不足していた。 そのようなことから、平成26年度の課題は、「業務における心理的負荷評価表」を分析検討し、コンピューターが発する質問を再構成することにより、利用者を結論まで最短距離で導くことのできる質問に改善を図ることであった。この課題に取組んだ結果を、セクシュアルハラスメントによって精神障害を発症した場合を例にとり、以下に示す。【手順1】出来事の類型の選択、【手順2】具体的出来事の選択、【手順3】セクシュアルハラスメントの関する4つの質問、にYES・NOでの回答を6回するだけで、心理的負荷強度の判定結果を得ることが可能としたことである。【手順1】から【手順3】までに要する時間はわずか数分であるため、従来の認定方法に比べ大幅な時間短縮が見込まれる。 加えて、本システムフローの中に、心理的負荷評価表の具体例に類似する裁判例を検索できる機能を付与したことと、検索裁判例として、精神障害の労災認定に関する裁判例の分析を行ったことも本年度の成果として挙げることができる。
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