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2014 年度 実施状況報告書

先住民族(とくにアイヌ民族)の所有・財産侵害と補償問題・多文化主義

研究課題

研究課題/領域番号 25590022
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 邦彦  北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00143347)

研究分担者 辻 康夫  北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20197685)
井上 勝生  北海道大学, ー, 名誉教授 (90044726)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード補償 / アイヌ民族 / 民族紛争 / 多文化主義 / 人種法学 / ジェノサイド
研究実績の概要

アイヌ民族の現代的課題としては、遺骨返還訴訟が係属中で未解決だが、本研究自体としては、かなり終盤的段階にあり、代表吉田としては、それに関するモノグラフは脱稿して近刊の予定だし、英文の要綱的論文も、刊行された。こうした段階で、現在進行中の北大など各大学のアイヌ遺骨の白老の象徴空間への集約という国のアイヌ施策への反発はアイヌ民族自身に根強くあり、それに関するシンポに討論参加し(2014年11月)、また総括的レクチャーを小樽商科大学で行なった(2015年2月)。

関連して、民族の補償問題について、吉田は、アウシュビッツを訪ねて(2014年12月)ユダヤ人のホロコーストについて法的分析を深め、また分担者井上は、朝鮮半島の植民地化にかかわる甲午農民戦争について調査・分析をまとめる作業を進め、吉田も戦争の舞台を実態調査した(2014年9月)。

さらに、北大のトップコラボ事業(世界のトップ研究者との研究・教育交流事業)ともタイアップして、補償法学に関する超一流のアメリカ研究者の招聘を進めて、批判人種法学や奴隷制問題、また東アジアの慰安婦や強制連行問題などについて研究交流を深め(2015年3月)、また中国の都市爆撃訴訟の被害者を迎えて、シンポジウムを開催した(2015年2月)。また、韓国済州島での虐殺問題について、韓国済州大学やワシントンDCで、シンポジウムを開催した(2014年11月、2015年3月)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

他の企画ともタイアップして、予想以上に国内、国際シンポを多方面でいくつか開催し、また成果の刊行にも漕ぎつけている。

今後の研究の推進方策

こうした方向でのまとめ作業を継続し、本研究で得られた帰結の実践への努力を更に続けたい。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者の体調不良もあり、当初の予定通りの執行ができなかったため。

次年度使用額の使用計画

今後はそういうことのないように、分担状況を再検討する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 富山を再訪して考える――不二越雑感2015

    • 著者名/発表者名
      吉田邦彦
    • 雑誌名

      志法(北大法律相談室雑誌)

      巻: 32号 ページ: 13, 18

  • [雑誌論文] ホロコースト補償訴訟の遺産--ナチス略奪芸術返還問題にも焦点を当てつつ2015

    • 著者名/発表者名
      吉田邦彦
    • 雑誌名

      星野追悼論文集(有斐閣)

      巻: 1巻 ページ: 3, 48

  • [雑誌論文] カリブ海諸国の奴隷補償(国際補償)問題――ジャマイカ・ハイチを中心として2014

    • 著者名/発表者名
      吉田邦彦
    • 雑誌名

      関大法学研究所研究叢書

      巻: 51冊 ページ: 63, 99

  • [雑誌論文] 現今の日中関係と補償法学上の課題2014

    • 著者名/発表者名
      吉田邦彦
    • 雑誌名

      季刊中国

      巻: 119号 ページ: 42, 51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「先住民族の権利」と「文化」2014

    • 著者名/発表者名
      アイゼンバーグ(辻康夫訳)
    • 雑誌名

      北大法学論集

      巻: 65巻1号 ページ: 124, 132

  • [雑誌論文] 多文化主義論の諸類型の検討 : 複合的アプローチにむけて2014

    • 著者名/発表者名
      辻康夫
    • 雑誌名

      法政理論(新潟大学)

      巻: 45巻3号 ページ: 35, 59

  • [雑誌論文] もう一つの日清戦争 : 第二次東学農民戦争2014

    • 著者名/発表者名
      井上勝生
    • 雑誌名

      歴史地理教育

      巻: 818号 ページ: 72, 77

  • [雑誌論文] Property Law Policy for the Indigenous Ainu People and the Unresolved Issue of Reparations in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Kunihiko Yoshida
    • 雑誌名

      NAM-KOOK KIM ED., MULTICULTURAL CHALLENGES AND SUSTAINABLE DEMOCRACY IN EUROPE AND EAST ASIA (Palgrave Macmillan, 2014)

      巻: 1巻 ページ: 59, 81

    • 査読あり
  • [図書] 東アジア民法学と災害・居住・民族補償(前編)(総論、アイヌ民族補償)2015

    • 著者名/発表者名
      吉田邦彦
    • 総ページ数
      395
    • 出版者
      信山社
  • [図書] 東学農民戦争と日本 : もう一つの日清戦争2014

    • 著者名/発表者名
      井上勝生ほか
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      高文研
  • [図書] 明治日本の植民地支配 : 北海道から朝鮮へ2014

    • 著者名/発表者名
      井上勝生
    • 総ページ数
      249
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2016-05-27  

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