研究課題/領域番号 |
25590039
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 和浩 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 教授 (70432672)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 教育政策 / 教育改革 / 国際教育協力 / カンボジア |
研究概要 |
研究初年度として、教育分野の国際協力において包括的な教育政策に基づくプログラム型支援を実施している国についての情報をアップデートした。その結果、Education Strategic Planを通じて多数の機関が協調的に支援を行う仕組みが確立していて、日本の国際協力機構(JICA)も事業支援を行っているカンボジアを今年度の研究対象国として取り上げることとした。事前に王立プノンペン大学のチン・シッタ博士、サム・シデス博士と連絡を取り、研究のカウンターパートとして協力していただく合意を取り付けた。現地調査は6月18日から28日にかけて実施し、教育省、国際機関(ユニセフ、EU)、援助機関(世界銀行、アジア開発銀行)、大学研究者、NGOと面談し、情報収集を行い、また学校視察を行った。 カンボジアの教育支援プログラムについては、継続的に情報収集を行っている。 また、途上国の教育改革を支援する国際教育協力の潮流とその有効性・課題を批判的に検証したこれまでの研究代表者自身による予備的研究をまとめ、日本比較教育学会代49回大会において発表するとともに、英国において当該分野の学会として知名度の高いUKFIET(英国国際教育訓練フォーラム)主催の第12回国際教育開発会議で発表を行った。 さらに途上国7カ国から10名の教育行政官を招いて実施した、研究代表者が実施責任者を務めるJICA受託研修事業において、今年度研究成果の一部を紹介し、教育協力プログラムにおける政策分析の重要性について参加者との共通理解を深めることに寄与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的に照らして、国際教育協力においてプログラム型支援を実施している国の情報をアップデートした結果、初年度の事例国をカンボジアに決定した。カンボジアについては日本の援助実績、研究実績もある程度蓄積があり、協力関係の構築が比較的容易であったことが順調な進展につながっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的・研究計画に従い、教育の質的改善に向けての国際教育協力の有効性を、日本の関与のレベルが異なる国々において比較検討するため、今年度実施したカンボジア事例からの成果を踏まえ、来年度は、他の地域(南アジアあるいはアフリカ)での事例研究を行う。研究代表者はこれまでに確立されているこれら他地域の研究者・実務者とのネットワークを通じ、比較研究分析の高い効果が期待できる国を選出する。 研究成果については学会・ジャーナル等における発表を行い、他の研究者・専門家からいただいた助言に基づいて、必要に応じて研究計画の修正を行い、最終年度の研究につなげる。
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